eringoの気まぐれ 時々 上の空 -20ページ目

こっちの水は甘いぞ

甘すぎる

photo:01

陸の魚

ぼくらが魚だった頃
それでもぼくは
陸で溺れた



水なんて無くたって
人は
いくらでも溺れることのできる
それは器用で
どうにも愚かな生き物だ


得意なことに得意げになる事
愛欲に溺れ大切な物を失う事
それにも気付けない事
ギャンブルに
酒に
名声に

溺れ放題が人の世だと知った時

ぼくは
たまらなく
人である事を終わりにしたくなった

たまらない気持ちが
身体の穴から流れて

生ぬるく酷く不快な気持ち

どうする事もできずただ

ひたすら歩いた


夜の246
ぶかぶかブーツを引きずって

同じ言葉が幾重にも

この空洞の頭をいったりきたり

からっぽのペットボトルを両手で潰す


ぐにゃりといびつに首をかしげて



泣いていた




からっぽだ

からっぽに閉じ込められたたくさんの雫を

しばらく眺めて

捨てずにそっと鞄にしまった

携帯の画面を確認し過ぎた

バッテリーが赤く光る

そろそろ

歩くのにも

待つのにも

疲れた


ヘッドホンの隙間から滑り込む風が

音を邪魔する

嫌な音だ

空腹はとうに超え

なんだか片腹が痛い

なんとなく

タクシーを止め

なんとなく

まっすぐと言ってみた

光が流れて

次に大きな交差点にぶつかったら降りようと決めた



ジョンレノンが死んだ

ジョンレノンが死んだ



首にかけたヘッドホンから
無遠慮に


音が遠くなる


背中が揺らぐ


photo:01












罪とか罰とか

放っておいても

罰はあたる

やったことはばっちりきっちり

返ってくるもんだなと

感心ひとしきり

私ゃ真っ直ぐ生きててよかった