経過
料理も人との関係も
美味しくしたけりゃ
手間暇惜しんだらだめね
と
ぶつくさ独りごと言いながら焼鳥に串うつ午前3時

圧力鍋からは先程仕込んだ牛すじ煮込みがシュンシュン煙と音を立てている
鍋をちらっと見ながら
牛すじも男も少しばかし圧力をかけたほうがやわらかくなって丁度良い
と
わかってんだかわかってないんだか
そもそも意味がいまいち不明な内容を堂々と口に出して
また独りごと
冷蔵庫には茗荷と胡瓜の漬物がしんなりスタンバイ
コロッケのたねをごねごねしながら
明日の手順を考える
あ
目薬をさし忘れた事に気付き
コロッケを小判形にする手が止まる
目薬をさし
少し休憩
部屋中に充満する料理の匂いに
少しうんざりして
シャワーを浴びて香水をつけた
香水つけるの久しぶり
少し気が紛れたところで
キッチンを眺める
私はきっと
台所が好きだ
厳密に言えば
きっと
料理が好きなわけじゃないんだろう
何かに没頭できる台所が好きで
そして出来上がったものを誰かが喜んでくれることが嬉しいだけなのだ
その証拠に
私はひとりでいるとき
台所には立ちもしない
つまり
料理はしないのだ
飲みものを飲んだグラスを洗うことすら億劫に感じ
ペットボトルですませたりする
ぼんやりいろんなことを考えながら
キッチンを眺める
スポンジケーキは焼いてから冷蔵庫で一晩ねかせたほうがしっとりして美味しいんだ
と
また独りごと
でもね
冷蔵庫が小さすぎて
明日の出番を待つ食材達がきゅうきゅうしてて
スポンジケーキが一晩休む場所なんてありゃしないなと
オーブンを170℃に温めてから気付く
はて
どうしたもんか
取り敢えず歯を磨いてから考えることにしよう
時計を見れば
午前4時を少し回ったところだった
いろんなことを考えながら
どうやら眠いらしいと気付き
そうしたら
急に
しっとりさせたいスポンジケーキのことも
ぎゅうぎゅうの冷蔵庫のことも
キッチンに出しっぱなしで口をつけ忘れてた炭酸の抜けたソーダ水も
全部全部どうでもよくなってしまった
よくないだろ
と
多分今夜最後の独りごとをつぶやき
ごろんとベッドに逃げ込む
物事には全て
然るべき経過がある
それを楽しみながら
歳を重ねる余裕を持ちたいもんだ
取り急ぎ今夜は
もう休もう
美味しくしたけりゃ
手間暇惜しんだらだめね
と
ぶつくさ独りごと言いながら焼鳥に串うつ午前3時

圧力鍋からは先程仕込んだ牛すじ煮込みがシュンシュン煙と音を立てている
鍋をちらっと見ながら
牛すじも男も少しばかし圧力をかけたほうがやわらかくなって丁度良い
と
わかってんだかわかってないんだか
そもそも意味がいまいち不明な内容を堂々と口に出して
また独りごと
冷蔵庫には茗荷と胡瓜の漬物がしんなりスタンバイ
コロッケのたねをごねごねしながら
明日の手順を考える
あ
目薬をさし忘れた事に気付き
コロッケを小判形にする手が止まる
目薬をさし
少し休憩
部屋中に充満する料理の匂いに
少しうんざりして
シャワーを浴びて香水をつけた
香水つけるの久しぶり

少し気が紛れたところで
キッチンを眺める
私はきっと
台所が好きだ
厳密に言えば
きっと
料理が好きなわけじゃないんだろう
何かに没頭できる台所が好きで
そして出来上がったものを誰かが喜んでくれることが嬉しいだけなのだ
その証拠に
私はひとりでいるとき
台所には立ちもしない
つまり
料理はしないのだ
飲みものを飲んだグラスを洗うことすら億劫に感じ
ペットボトルですませたりする
ぼんやりいろんなことを考えながら
キッチンを眺める
スポンジケーキは焼いてから冷蔵庫で一晩ねかせたほうがしっとりして美味しいんだ
と
また独りごと
でもね
冷蔵庫が小さすぎて
明日の出番を待つ食材達がきゅうきゅうしてて
スポンジケーキが一晩休む場所なんてありゃしないなと
オーブンを170℃に温めてから気付く
はて
どうしたもんか
取り敢えず歯を磨いてから考えることにしよう
時計を見れば
午前4時を少し回ったところだった
いろんなことを考えながら
どうやら眠いらしいと気付き
そうしたら
急に
しっとりさせたいスポンジケーキのことも
ぎゅうぎゅうの冷蔵庫のことも
キッチンに出しっぱなしで口をつけ忘れてた炭酸の抜けたソーダ水も
全部全部どうでもよくなってしまった
よくないだろ
と
多分今夜最後の独りごとをつぶやき
ごろんとベッドに逃げ込む
物事には全て
然るべき経過がある
それを楽しみながら
歳を重ねる余裕を持ちたいもんだ
取り急ぎ今夜は
もう休もう