思い出すのは
暖かくなった季節のせいで昨日のことのように思い出した夜の話がひとつ
もう随分と昔のようで、でもつい昨日のようで、拭っても拭っても涙がこぼれて、鼻も詰まって息もできない(笑)
夏の始まる匂いが渋谷のビルの隙間をすり抜ける
少しだけ空気の重い夜
あなたが私の前に座っていた
私の前に座って
ずっとそうしているように
私の前に座って
前から知っているように
私の前に座って
それはあたりまえのように
私の前に座って
慣れた様子で酔っぱらい笑ってた
逢った
他愛もない会話がぼんやりと頭の上を
昼休みのキャッチボールのようになんとなく飛び交う中
みんなが笑いながらお酒を飲んでいた
でもあなただけが
球技違いのドッチボール
楽しんでいるのかいないのか
聞いているのかいないのか
ひとりドッチボール
私にはそう見えて笑えた
受けた球を投げ返すこともあるけど
投げ返さずにポイってしてみたり
投げられてるの分かってるくせに
きれいに避けてみたり
時々
自分本位に豪速球投げつけておいて
振り返ったら
知らんぷりしてたり
まったく忙しい人
器用なんだか
不器用なんだか
わかんない人
これが
あなたへのはじめの印象
あとからわかったことだけど
あなたが
そうしたくてそうしてたわけじゃないこと
そうなっちゃう人なんだってことが
まったく
頭のてっぺん、寝ぐせのついた髪の一本一本から
足の先っちょ、はだしの爪のつま先まで
とっても器用で
とっても不器用な人
人はみんな
それぞれに自分のものさしを持っていて
あたりまえだけど当然の様にそれで物事をはかる
愚かなことだ
けれど仕方ないことでもある
私だって同じだ
測って
計って
量って
たまに
謀って
でもって
そのものさしではかりきれなかったり
ちょっと形が違ったりすると
否定したり批判したり
ひどい時は“間違っている”なんて暴力的なまでの勝手な評価を
真っ向からぶつけられたりもする
まったく理不尽な話だ
そして
私はたぶん
人より多くそうゆう思いをしながら生きてきたと
勝手に思っている
そして
あなたを見た時
この人は私以上だと思った
飄々としてるくせに
どうにも消化のできない燻ったものを常に抱えて
その正体がなんなんだかはわからないけど
人に?世間に?何かに憤り
勿論皆と同じ様に
自分のものさしを持ってはいるんだろうけど
だいたいの世間では
みんなが持ち合わせているものさしの形や大きさは
似通っていて、差はあれど問題の無い程度のものだったりする
要するに“常識”とか“良識”とかそうゆうたぐいのやつ
私が最も理解に苦しむジャンルで
もしも義務教育の必修科目にあったとしたなら
間違いなく永遠に小学校すら卒業できない
そしてきっと
この人も絶対落第だと勝手に断定
空が白くなり始発が走り始めた頃
ふたりぼっちになった
ふたりぼっちになって
白い朝を通り越して
気付けば正午
話し続けたから
ふたりぼっちになってはじめて
私はほんとの言葉で話した
そしてあなたも
きっとほんとの言葉を使った
ほんとの言葉だけを使い過ぎて
ほんとのことだけを話し過ぎて
何かが危なくなってきた頃
いちど
繋いだ手を放した
センター街
スペイン坂
公園通り
夜の匂いを追い出した風が吹く
そしてそれはまもなくして
遊歩道に滲むオレンジの店へと
まだ夏の始まり
浴衣
下駄
赤いアルコール
へと続く
もうすぐあの季節が
もう一度巡り来る
相変わらず
いや
あの時以上に
ぼくは
あの大きなはだしの親指が
愛しい
もう随分と昔のようで、でもつい昨日のようで、拭っても拭っても涙がこぼれて、鼻も詰まって息もできない(笑)
夏の始まる匂いが渋谷のビルの隙間をすり抜ける
少しだけ空気の重い夜
あなたが私の前に座っていた
私の前に座って
ずっとそうしているように
私の前に座って
前から知っているように
私の前に座って
それはあたりまえのように
私の前に座って
慣れた様子で酔っぱらい笑ってた
逢った
他愛もない会話がぼんやりと頭の上を
昼休みのキャッチボールのようになんとなく飛び交う中
みんなが笑いながらお酒を飲んでいた
でもあなただけが
球技違いのドッチボール
楽しんでいるのかいないのか
聞いているのかいないのか
ひとりドッチボール
私にはそう見えて笑えた
受けた球を投げ返すこともあるけど
投げ返さずにポイってしてみたり
投げられてるの分かってるくせに
きれいに避けてみたり
時々
自分本位に豪速球投げつけておいて
振り返ったら
知らんぷりしてたり
まったく忙しい人
器用なんだか
不器用なんだか
わかんない人
これが
あなたへのはじめの印象
あとからわかったことだけど
あなたが
そうしたくてそうしてたわけじゃないこと
そうなっちゃう人なんだってことが
まったく
頭のてっぺん、寝ぐせのついた髪の一本一本から
足の先っちょ、はだしの爪のつま先まで
とっても器用で
とっても不器用な人
人はみんな
それぞれに自分のものさしを持っていて
あたりまえだけど当然の様にそれで物事をはかる
愚かなことだ
けれど仕方ないことでもある
私だって同じだ
測って
計って
量って
たまに
謀って
でもって
そのものさしではかりきれなかったり
ちょっと形が違ったりすると
否定したり批判したり
ひどい時は“間違っている”なんて暴力的なまでの勝手な評価を
真っ向からぶつけられたりもする
まったく理不尽な話だ
そして
私はたぶん
人より多くそうゆう思いをしながら生きてきたと
勝手に思っている
そして
あなたを見た時
この人は私以上だと思った
飄々としてるくせに
どうにも消化のできない燻ったものを常に抱えて
その正体がなんなんだかはわからないけど
人に?世間に?何かに憤り
勿論皆と同じ様に
自分のものさしを持ってはいるんだろうけど
だいたいの世間では
みんなが持ち合わせているものさしの形や大きさは
似通っていて、差はあれど問題の無い程度のものだったりする
要するに“常識”とか“良識”とかそうゆうたぐいのやつ
私が最も理解に苦しむジャンルで
もしも義務教育の必修科目にあったとしたなら
間違いなく永遠に小学校すら卒業できない
そしてきっと
この人も絶対落第だと勝手に断定
空が白くなり始発が走り始めた頃
ふたりぼっちになった
ふたりぼっちになって
白い朝を通り越して
気付けば正午
話し続けたから
ふたりぼっちになってはじめて
私はほんとの言葉で話した
そしてあなたも
きっとほんとの言葉を使った
ほんとの言葉だけを使い過ぎて
ほんとのことだけを話し過ぎて
何かが危なくなってきた頃
いちど
繋いだ手を放した
センター街
スペイン坂
公園通り
夜の匂いを追い出した風が吹く
そしてそれはまもなくして
遊歩道に滲むオレンジの店へと
まだ夏の始まり
浴衣
下駄
赤いアルコール
へと続く
もうすぐあの季節が
もう一度巡り来る
相変わらず
いや
あの時以上に
ぼくは
あの大きなはだしの親指が
愛しい