【PANDA編集部】◆配信状況報告レポートを順次連絡中/海外の外注増加で日本アニメは空洞化する?
それでは、2012年度第40回メールマガジンをお届けします。
よろしくお願いいたします。
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◇TOPIC◇
◆配信状況報告レポートを順次ご連絡中
◆海外への外注増加で日本アニメは空洞化する?
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◆配信状況報告レポートを順次ご連絡中
作家の皆様にお力添えを頂いております各ご作品の
中国配信に関しまして、中国の弊社パートナー会社・
易覧社の調査資料をもとに作成致しました、9月末時点での
ご作品の配信状況を順次、作家様にご連絡しております。
11月上旬には、上記のご連絡をほぼ終える予定です。
なお、2012年9月の尖閣諸島問題から発生した
日中情勢不安を受け、日本作品における宣伝・販売を
控える通達が国営企業を中心に行われております。
とくに、中国移動(チャイナモバイル)は国営企業でも
影響力の強い会社ということもあり敏感に対応。そのため
現在、日本作品の大半の配信を一時ストップしている状況です。
また上記の状況を受けて、中国移動についての配信状況が
開示されず、最新状況が集約できない状況にあります。
11月8日に党大会(国のTOP交代)が控えているため、
そのタイミングに向けて事態の鎮静化(年内)が
予測されますが、再開についての正式な発表の
タイミングについては、現段階では確認中です。
中国移動以外でのご作品の配信は大きな影響も出ておらず、
随時配信を継続しておりますが、プロモーション活動については
現段階での企画・準備を継続して進めたうえで、日中情勢の
回復を見計らって再開させていただければと思います。
こういった日中情勢で、何かとご迷惑をおかけして申し訳ございません。
なにとぞご理解・ご了承の程、よろしくお願い申し上げます。
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◆海外への外注増加で日本アニメは空洞化する?
アニメ-ション業界では賃金の違い・人手の確保等から、
動画や仕上げなどをアウトソーシング(外注)しています。
ところが、外注先となる海外(アジア諸国、特に中国)に
制作技術が移転することで、それらの国々のアニメ作品の
クオリティが向上・日本が競争力を失って、日本アニメの
地位がいずれ崩れるのでは? という疑問があるかもしれません。
今回は、そんな疑問に対してデータを集めて検証したサイトを紹介します。
このサイトによる結論から述べますと、日本からの
技術移転先となるアジア諸国で自国製アニメが育ち、競争力を
持ったアニメのライバル国が現れたという例は少ないようです。
実際に、技術移転で日本と肩を並べるほど各国の自国製アニメが
発展しているのかについて、広告代理店のアサツーディ・ケイの調査を
もとに、0~12歳と20~59歳までの1000人を対象としたデータで、
中国を例に人気アニメの実態を見たいと思います。
中国での人気アニメ(特撮も含む)ベスト10
≪0~12歳≫
1位『喜羊羊と灰太狼』(中国製・Cartoonアニメ)
2位『ドラえもん』(日本製)
3位『ミッキーマウス』(米国製)
4位『クレヨンしんちゃん』(日本製)
5位『トムとジェリー』(米国製)
6位『スポンジ・ボブ』(米国製)
7位『大耳朶図図』(中国製)
8位『鎧甲勇士』(中国製・戦隊モノ)
9位『NARUTO疾風伝』(日本製)
10位『キャプテン翼J』(日本製)
≪20~59歳≫
1位『喜羊羊と灰太狼』(中国製・Cartoonアニメ)
2位『クレヨンしんちゃん』(日本製)
3位『ドラえもん』(日本製)
4位『ミッキーマウス』(米国製)
5位『トムとジェリー』(米国製)
6位『スポンジ・ボブ』(米国製)
7位『NARUTO疾風伝』(日本製)
8位『孫悟空(ドラゴンボール)』(日本製)
9位『テニスの王子様』(日本製)
10位『ワンピース』(日本製)
上記は、いわゆる動画や仕上げなどのアニメの技術とは手法が
異なりますが、上記で注目すべきポイントは、自国アニメが
トータルで一番人気になっている点。
いわゆる動画や仕上げなどのアニメの技術とは手法が異なりますが、
上記で注目すべきポイントは、自国アニメがトータルで一番人気になっている点。
これは、ゴールデンタイムにおける海外アニメの放映規制以後にテレビを
見始めたと推測される子ども層にとって、日本や米国の作品に
興味を示してはいるものの自国製アニメが1位となっているというのは、
中国国内での自国製アニメの競争力が高まっているというよりも、
2002年以降の中国政府による国策(自国アニメ産業に対する支援制度、
海外アニメの放送規制など)が功を奏したからだと思われます。
中国が力を入れる、国を挙げてのアニメ産業のテコ上げ。
それが本当に実現されるのは、海外アニメの放送規制など行わず、
自国の嗜好に根差した独自の技術で、他国のアニメと競える作品を
制作できてからだと、個人的には思います。
データ:広告代理店のアサツーディ・ケイ「アジア7カ国生活総合調査」の
「人気アニメ調査(特撮も含む)」(2012年)より。
■海外への外注増加で日本アニメは空洞化する?