ピン芸人ですが、
パチンコ店員
やっています

著:原田おさむ
発行所:株式会社KADOKAWA

現場の一般職の目線でお客様のことや、役職者の問題を語る。この視点が新しい。そして興味深い。経営者にとっては、現場の実態が疑似体験できる本(笑)

原田おさむさんの心の変化や、小さな成長過程が、現場の方の感情の推移を表していると個人的には感じる。最初は、原田おさむさん、他責感まんさいの酷いかた(笑)自分にベストルを向けられない成長できない人の典型例。それを正直にカッコ付けずに、表現していることも、この書籍の素敵な部分。最初は、読むのを止めようかなって思う程。

現場の真実はここに!

概略

●店長は僕の考えていることをすっかり見透かしていた。完全に僕は、ダークサイドに堕ちた。従業員の遅刻欠勤のペナルティーを復活させた…

●最もなりたくなかった上司に。最もなりたくなかった上司の姿に、僕はなってしまった…

●すべては店長のために。その通り、それを作り上げたのは俺ら。一番大切なお客さんを忘れて、一番偉いお客さんを置き去りにして…

●時計の針は深夜0時をまわった。本部長の質問が30周目を超えた。「サービスとはなんだ?」

●5期生の生き残り、一般応募の彼だった。原田さん、僕ついに●店の店長になりました!驚いた。パチンコ屋未経験で、大便器に肩まで手を突っ込んでいた彼が、店長まで昇格していた…本当に店長に上り詰めた。そして、僕は退社していたので、最後の最後で脱落したのだ…

●クレームを言うお客さんは、そんなこと信じないし、耳を貸さない。自分だけが陥れられている。自分だけが嫌がらせをされている。自分だけが…自分だけが…そう思って揺るがない。そう信じることで、この不運を理由つけて、全てをパチンコ店員の悪巧みで結論づけようとする。

●お店からすると長年毎日足を運んでくれる年配のお客さんに勝ってもらいたいのだ。しかし、年配の方は粘らない。2、3千円打ったらすぐ移動するし、メダルが1箱出たらすぐ交換して帰る。ところが若い客は、高設定台を掴むためにあらゆることをする。攻略本を読みあさり、小役の落ち方、朝一番のリールのブレ、ランプの光り方、全ての情報を網羅して高設定台を見抜く。

※情報格差。パチンコ学力の差で、勝つ確率を年配者は低くする※

●年配客はそれでもオカルトを信じてやめない。中のメダル抜いてかき混ぜて。台が熱くなってるから冷ます。両手を合わせて台を拝む人はのべ数百人見てきた。若い客は高設定台を見つけたら食事休憩をとらずブン回す。帰りにはクレジットに一枚メダルを入れて帰る。次の日設定を打ち替えると、このクレジットが消える。

●たくさんあゆパチンコ屋の中から、うちを選んでもらい、たくさんあるスロット台の、この1台にたどり着くまでに、いろんなプロセスがある。そこを逆算していけば、こうすれば座ってもらえる、こうすれば選んでもらえる、そのためのマイナス要素を排除していかなければならない。

●奥さんは目に涙をいっぱい溜めて、台の撤去を悲しんだ。台に向かって手を合わせる人がいる。台に感謝の気持ちを込めて。台を開発したメーカーもここまで愛される機種になると、誰が予想できただろう。それでも撤去せざるを得ないのが「みなし機」の運命。新台として導入して、2・3日でお客さんが飛ぶ台もあれば、6年あまり、いろいろな人たちの人生とともに動いて、撤去を惜しまれる台もある。

●もう、やめとけよ。僕は正直に言った。こんなのバレたらクビやで。Nは「なんでですか?店長が悪いでしょ?こんな従業員の眼の前で設定打ち替えて。さらに、朝礼終礼で、知り合いに設定教えたらダメなんて、言われたことないですから…

●なけなしの1万円や2万円を握りしめて、当たるか当たらんかわからんから必死になってるおっちゃんおばちゃん!そんな人ら見てきて、自分の知り合いだけ、スロットの高設定台教えられるな!!

●あれからいろんな仕事しましたけど、どこも給料安くてしんどいですよ。パチンコ屋の店員が楽に思えるくらい…

●アルバイトの顔を1人ずつよく見てみる。みんなまだ若い。あのときの僕と、歳も違わない。僕はあれからいろいろ経験してきたのでよくわかることもたくさんあるが、この子たちにはそれが分からない。僕も同じようなことをしてきたのだ。自分の都合しか考えないで、バイトしてきたのだ。

●パチンコの仕事は整形外科医のように誰かを救ったりはしない。みんなに嫌われる要因が多い。でも、勤めている人間の、この労力!誰がわかるだろうか?誰に理解できるだろうか?こんな仕事やってみなければ誰にもわかってもらえないだろう。

●僕の身体には…ずっと…ずっとパチンコ屋で働き続けた、その痕跡が染みついていた。もうパチンコ屋は僕の身体と同化していた。そしてこの手で家族を養ってきた。この身体で家族を守ってきた。接骨院に行くたびに、足と腰が常に張り続けていると言われた。この身体、僕の身体の全てが、パチンコ屋の店員と化していた。

●パチンコ業界は人から批判されることの多い職種。なのに激務。過酷。報われにくい職種。でも暗闇ではありません。きちんとした光があります。毎日楽しみに来て下さるお客さんがいます。笑顔で働く従業員たちがいます。


補足。

パチンコ情熱リーグと思われる一文も出てきた(^_^)情熱リーグ、認知度あげた結果かな♪