警察署に着いた。
奥さんと親御さんが椅子に力無く座っていた。



奥さんと親御さんもTとまだ対面出来ていない状況だった。
1人でいる時に亡くなった場合、他殺の可能性もあるので鑑識が終わるまでは遺体と会う事が許されないらしい。





夜の静かな静かな新しい庁舎の警察署。
何とも言えない、ピーンと張り詰めた様な静けさが拡がっている。



私たちは誰も声を上げる事無く、泣く事も無く、冷たい床をまるで宇宙を眺める様に、ただ、ただ、ぼ~っと見つめて待っていた。



どれくらい時が流れただろう。

1時間くらいだろうか。

2時間くらいだろうか。

とてつもなく長い時間。






そして…………




奥さんと親御さんが呼ばれた。
警察署の裏の方に連れて行かれた。



30分くらい経ち、みんな帰って来た。
目は真っ赤だ。
声にならない嗚咽と共に帰って来た。




私とMは、その光景をぼ~っと眺めていた。



私とMが呼ばれた。
警察署の裏の倉庫の様な建物が安置場所だった。




私とMは警官に連れられ、その部屋に入った。





Tと対面した。





「何やってんねん!!
アホんだらぁ~!!!
うぅわぁーーーー!!!!!!!」


目を閉じて喋らないで横たわるTと対面し、私とMは声にならない嗚咽と共に泣き崩れた。。。






転新半