初ミシュランのラーメンとミッキーマウス
東京表参道ヒルズのラーメン店「MIST」はご存知でしょうか?
昨年、その香港店が香港版ミシュランで1つ星を獲得したそうです。
ここのラーメン、私は食べたことないのですが、
真っ白なレンゲの上に、まゆ玉のように美しく巻かれた麺。
上にはイクラやマダイなどの高級食材が乗っており、
すしのように一口で食べるスタイルのようです。
店内も落ち着いた感じで、コース料理も楽しめる。
というわけで、まさにフレンチラーメンレストランですね。
■修行時代
シェフの森住康二さんは、25歳の若さで厨房のトップを任されます。
そのときすでに森住さんは自分に足りないものを自覚していました。
「シェフには厨房をまとめる統率力が大切。
人前で話すのが苦手な自分には向いていなかった」
それに加え、独立には高級食材の仕入れなど
多大な資金が必要でしたが、やりくりが出来ませんでした。
■夢をあきらめきれず
森住さんは、悔しい気持ちをいだきながらも、
いったん夢をあきらめ、一般企業に就職します。
それでもいったん目指した夢の世界を
やすやすとあきらめ切れません。
パスタマシンで作った麺と、おのれの勘で味付けたスープ。
ある日、ふと立ち寄ったラーメン店で、
修行時代に自分で作った、まかないのラーメンを思い出しました。
「ラーメンなら資本金もそんなにかからないし、
統率力も必要ない。」
東京荒川区に1号店を出すも、なかずとばずの状態でした。
2日かけて作ったスープを泣く泣く捨て、
2年目には資金が底をつきました。
・・・万事休す、か?
■どん底での気づき
見かねた友人に連れて行ってもらったディズニーランドで、
森住さんは、「ある気づき」にめぐり合います。
「彼の周りには家や車、飛行機、ミッキーを支える仲間たちがいる。
しかし、今の僕には何ひとつない。
ミッキーの幸せが、夢に向かって頑張った結果のように見えました」。
結果を出せなかった自分を恥じ、彼は人目もはばからず夢の国で号泣しました。
それ以来、「自分は全てをやりきったか?」と、
自問自答しながらの日々を送っていったのです。
使う食材を見直し、食材は心を込めて洗いました。
スープは、初心に戻ってていねいにダシを取りました。
次第に口コミで客足が増えると、週刊誌に紹介され、
1年後には、行列の絶えない店になっていきました。
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ここで私は2つのことに気づかされます。
・自分を知る
多くの人が独立を目指して厨房の世界に入るんだと思います。
そんな中森住さんは、シェフとしての自分の資質に疑問を投げかけます。
どんな世界もそうだと思いますが、
自分に合わないことは長続きしないものです。
よく写真家の世界でも言われることですが、
続けることも才能の一つなんですね。
みんな続かないで、やめていってしまう。
自分を見つめる真摯な気持ちと、判断力。
見習うべきものがあります。
・気づきはどこにでも
普通ディズニーランドに行って
「ミッキーの幸せが、夢に向かって頑張った結果のように見えました。」
と思う人はそんなにいないでしょう。
その時の自分の状態によって、
どんなものでもこれからのヒントになりえるんですね。
困っている時ほど、
そのヒントを求めてアンテナの感度は敏感なのでしょう。
そして困ったときにディズニーランドに連れて行ってくれた
友人の存在も忘れてはいけないと思います。
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