僕、セックス上手いだろ?
「僕のセックス、気持ちがいいだろ。前の彼女たちがみんなそう言うんだ」
冗談で言ってるんだろうと彼の顔を覗きみたけれど、全然冗談を言ってる顔をしていない。
あたしは、突如恥ずかしくて恥ずかしくて居た堪れなくなった。
セックス自慢をするあっぱれな彼と対戦しながら、話を聞きながら、その満足げな顔を見ながら、
恥ずかしくて恥ずかしくて、枕に顔を埋めたくなるあたしってのがいる。
悦に入りながらあたしのおまんこを舐め上げている彼の舌使いは単調で、
中央の溝を上から下へと行ったり来たり、繰り返しているだけ。
時どき、溢れ出したあたしの愛液を美味しい美味しいと啜っているけれど、
それはほとんど彼の唾液と思われる。
きっとクリとリスの場所さえも、把握していないのだろう。
お前、一体なんだって、この程度でこんな風に変な自信を持ってしまったのだ?
と思っていたけれど、理由はわからないでもない。
舐めるのを止めて、彼はあたしの中に2本の指を入れると、突如激しく掻き回し始めたのだ。
あまりの激しさにあたしは声を上げ、眉間に皺を寄せた。
あたしの苦痛に歪んだ顔が、彼にはよがっている顔に見えるらしく、ホラホラどうだとばかりに、
さらに指を突き立ててくる。
「ほら。気持ちいいでしょ。逝っていいよ、逝って。逝って」
こんな彼をがっかりさせずにさっさと撃退してしまうには、もう逝ったフリしかない。
あたしは感極まった顔をして、膣を締めて、足を伸ばした。腹筋に力を入れてほんのり汗を身にまとわせ、
「逝く、逝く、逝く~!」と声を上げた。
彼は、あたしの中から指を引き抜いて、美味しい美味しいと満足げにそれを舐めている。
それを見ながらあたしは、見たことも会ったこともない昔の彼女たちとやらに、同情した。
彼の気分を悪くさせないために、何度も何度も逝ったフリをしていたであろう、昔の彼女たちに。
「ねね、何回逝った?2回?3回?もう、逝きまくってたね。可愛いなぁ」
あたしより、お前の方が全然可愛いよ。
なんてことを言わないことで、彼の自信は暴走しているのだと思われる。
でも、彼が満足なのであれば、あたしはそれで全然構わない。
すごく素敵な勘違いをしてくれる彼にあたしは愛おしさすら覚える。
彼に任せて挿入したって結果は見えたようなものだから、あたしは自分で彼にまたがる。
数回腰を揺らしただけで、
「ダメだよ、自分だけ気持ちよくなろうとしたって。僕だけ先に逝っちゃうだろ」
なんて言っちゃう自分勝手にハッピーな彼にあたしは卒倒しそうになる。
ゆっくりゆっくり動かして、彼の「あ、逝く、逝くよ」の声に合わせて、「あたしも逝く」なんて言ってみて、
一緒に登りつめるフリをするあたし。
「ね、ちゃんと一緒に逝けたでしょ。自分だけ気持ちよくなろうなんてずるいよ」
このレベルまでHappyPersonなのも珍しい。
「クリとリス舐めて。剥いて舐めて。吸って。吸いながら舐めて。もっと優しく。もっと強く。もっと早く」
そんな風に彼女に言わせてあげられないのだろうね、きっと彼は。永遠に。
「お前、フライ~ング!」なんて言って頭をはたいてくれるよな、
その天まで届きそうな鼻をあっさりへし折ってくれる、素敵な恋人出来るとよいね。
----------------今日のオシゴト(覚え書き)---------------
生理のはずもないのに、出血。そして子宮にどん痛。あまりよろしくないまんこ。
オナニーして見せて。ってのにも、もう慣れたけどさ、バナナ持ってくるのはどうかと。
むいたら余計に入れたくない。
週末一日貸切してくれる話がまとまった。どうしても外でって言われても、外でだけは会わないのが
あたしの信条。安全と安心感のために、あたしは箱の中で働いているのだから。
疲労困憊で寝付けない。恋人の鼾をバックミュージックに書く日記。読み返し無し。もう寝る。