センチな気分(元気でいたい人は素通りしてネ)。
昔の恋人にこんなことを言われたんだ。
「人を傷つけるとね、絶対自分に返って来るんだよ。
巡りめぐって、必ず」
あたしが恋人を深く傷つけた時のことだった。
深く傷つけあう事の出来る相手なんて、そうそういない。
今だって、あたしを深く傷つけることのできるのは恋人だけで、
あたしが深く傷つけることの出来るのは恋人だけ。
もう、両親には出来ないし、友達になんて元々出来ない。
そういうことを、当時の恋人に上手に伝えられたらよかったと思う。
後悔などではなくて、
傷つけたままさよならをしてしまわなくて済んだのに、
そうしたら、あたしに返って来ることのひとつを減らせたのに。
そんな風に思うのだ。
古い写真を見て思い出を美化したり、過去に戻りたいと思ったり、
そんなことはあたしは必要ないと思う。
写真に残したことは、あたしの気持ちにも刻まれているから。
時に思い出してひとりでひっそり笑ったり、
感傷に浸ることを楽しんだり、
それくらいの記憶として。
写真の管理なんて、あたしには出来ない。
過去は過去。
現在ではないのだから。
どうでもいいものを捨てなくてはならないなどと、
どうして考えようか。
過ぎ去ったものは、あたしの中ではその程度でしかない。
それでも、写真を見つけた恋人は深く傷つく。
あたしの(恋人曰く)無神経な落ち度に深く傷つき、
いつまでも繰り返し、そのことを責め続ける。
あたしは恋人の昔の彼女の写真を見つけたとき、
怒りもしなかったし、捨てることもしなかった。
怒りも沸かなかったし、捨てる必要性も感じなかったからだ。
昔の彼女と会った時だって、
彼女に対する嫉妬なんて、ちっとも沸いてこなかった。
深く傷つけ合うことの出来る相手は唯一無二なのに、
どうしてもっともったいぶらないのだろう。
そんなに(あたしにとっては)くだらないことで、
どうして簡単に深い傷をつけ合おうとするのだろう。
おセンチなのは、眠れず朝を迎えたからだ。
きっと。