お金2.0 新しい経済のルールと生き方

著者:佐藤航陽

4.3/5.0

 

ビットコインをはじめとする仮想通貨の出現によって、世界が今後どのように変化していくのか、壮大に語った一冊。

正直、読むのはかなり大変だった。

なにせ、ビットコインが何かもよく知らない状態から読んだので、単語レベルで意味がわからない。

それでも、ネットで情報を集めながら何とか読了。

仮想通貨が世界をどのように変えるのかについて、その展望を知ることができた。

 

仮想通貨は中央管理者がいない通貨システムであり、日本円を日本銀行が管理するという法定通貨のシステムと大きな違いがある。

現在の法定通貨システムにおける様々な問題点(というか、非合理的なことや非効率的なこと)を解消し、より合理的に変化させたものである。

 

最も原始的な経済システムは、物々交換である。

これをより便利にするために、貨幣制度が発明された。

貨幣とは、「価値を媒介するもの」である。日本円も貨幣だし、アメリカドルも貨幣だ。

紀元前1600年に貝殻が貨幣として使用されたのが始まりで、世界各地で様々な貨幣が作られ、流通した。

そして、特定の経済圏で価値をもつ貨幣を通貨という。

アメリカドルは日本では使えないので、日本においては通貨とは言えない。

なので、アメリカという経済圏から日本という経済圏に移動するときは、貨幣の交換をしなくてはならない。

 

しかし、仮想通貨ならばその必要はない。インターネットさえ通じれば、世界中どこでも使える。

紙幣や硬貨という実態はなく、データのみなので、スマホさえあれば通貨として使用できる。

あとは、そのシステムがどれだけ世界経済で採用されるかである。

「便利」で「信用できる」ならば、それは時間の問題で、世界の基軸通貨となり得るポテンシャルを持っている。

 

仮想通貨のシステムについては、解説サイトがたくさんあるので、ある程度独学で理解できる。

・ブロックチェーン

・P2Pネットワーク(Peer to Peerネットワーク)

・マイニング

という概念が理解できれば、ひとまずOKだと思われる。

 

 

現在の資本主義社会においては、多くの人にとって通貨の獲得が大きな目的となっているが、これは変わっていくと筆者は予想している。

AIが進化し、生産性が上がった世界では、そもそも人が働く必要性が薄れていく。

ベーシックインカムが導入されれば、さらにそれに拍車がかかり、とりあえず働かなくても生きていけるので、やりたくもない仕事に嫌々出かけるということもなくなる。

人々は、自分が本当に情熱を注げることに自分の時間を使うことができ、それが新たな価値を生む。

個人対個人でその価値を提供できるシステムも、さらに加速するだろう。

すでに、ウーバーやメルカリといった、個人同士を結びつけるシステムが大きく市民権を得ており、同様のサービスが増えていくに違いない。

タイムバンクというサービスの存在も初めて知った。

需要と供給が個人レベルからマッチし、支払いも簡単に行える。経済はどんどん回りやすくなる。

「価値」と「通貨」がダイレクトに結びつく社会では、個人は自分の生きやすい経済を自分で選ぶことができる。

YouTuberはその典型だが、今後は、単に注目を集めているというだけでなく、価値を提供できないと淘汰されるようになると筆者は予想している。

 

今我々は、「昔の人たちって、身分制度に縛られて理不尽な思いをして大変だったんだね。」と言うが、

近い将来、「昔の人たちって、お金に縛られてやりたくもない仕事をしてて大変だったらしいよ。」という時代がやってくる。

 

時代を次のステージに押し上げる人材って、凄まじい熱量を持っている。

ビットコインのシステムを考案した「サトシ ナカモト」は誰なのか、依然として不明である。

自分の正体は明かさずに世界を変えるって、まるで漫画みたいだ。

ノーベル経済学賞の候補になっているが、なにせ誰か分からないのであげようがない(笑)。

彼の論文は、インターネットで誰でも閲覧できる。原著はもちろん英語だが、日本語訳もされている。

 

つくづく、インターネットは世界を変えたなと実感する。

 

仮想通貨に関しては、個人的には投資の対象とは見ていないが、今後社会をどう変えていくのかはワクワクしながら見ていたいと思う。