自衛隊が派遣された宮古島「高齢者施設」で6人が死亡 | ブロッギン敗北【ご愛読ありがとうございました】

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アウシュヴィッツが陸の上のジェノサイド、ヒロシマ・ナガサキが空からのジェノサイドだったとすれば、水俣病は海からのジェノサイドである。(栗原彬)
そして21世紀のいま、史上最悪のジェノサイドがパレスチナの地で、殺人国家イスラエルによって遂行されている…

(「琉球弧の軍事基地化に反対するネットワーク」より転載

 

 今日の琉球新報や宮古新報など沖縄のマスコミによると,自衛隊が医療支援に入った老健施設でクラスターが発生し,6名の死亡者が出ていたという。6名が亡くなったのは今月2日~9日。自衛隊が宮古島に医療支援に入っていたのは,1月31日~2月13日までの2週間。6人が亡くなった時期と自衛隊の派遣期間は重なっている。昨日まで死亡者の発表が遅れたのは,自衛隊が島から引き上げるのを待っていたかのようだ。ともあれ,自衛隊が支援に入った施設で6人の命が奪われたことが明らかになった。一体どうしてくれるのか。自衛隊にはきちんとした説明が求められる。

 

 私は自衛隊が宮古島に入った時,女性の看護官がテレビのインタビューで語った言葉が忘れられない。「まずは自分たちがコロナに感染しないことが大切だと思っています。そうしないと安心・安全な医療が提供できないので」と,そんな発言だった。感染者が多数出て,医療が逼迫している宮古島に来て,この人は今さら何を言っているのだろうと思った。彼ら・彼女らは宮古島が現在どんな状況なのか理解していないのではないか,こんな人たちに宮古の医療を任せて大丈夫なのか,と不安になったわけである。

 

 自衛隊などの軍隊が行う軍事医療というのは,戦争や兵力に役立つかどうかを基準に医療対象者の選別・切り捨てを行う優性思想的な性格を色濃く持つ。いわゆるトリアージとは,もともと軍事の場から出てきものである,こういうトリアージの観点から,看護官である自分と施設の高齢者を比較すれば,圧倒的に自分の方が優先順位は高い。だから,あのようなピントのずれた発言になったのだろうし,元々そういう自分たち本位の態度で宮古島に入ってきたのだろう

 

 しかも施設ではクラスターが発生し,高齢者たちはコロナに感染している。一方で自分たち自衛官はコロナに感染しないように最大限に注意していて,実際に感染していない。彼ら・彼女らの目には,施設の高齢者は見殺しにしても構わない人たちに映ったに違いないし,生き残るべきは自分たちであるとの確信も得たに違いない。このような軍事的トリアージのイデオロギーと手法が,すべての命を救うという医療本来の役割と相容れないことは言うまでもない。

 

 それから,もう一つ言っておきたいのは,沖縄の新聞が今日,一面で大きく報じているのに,なぜホンドのマスコミは一言も報じないのか。情弱なのか。自衛隊が宮古島の医療支援に入ったことは大々的に報道したのに,そこで死亡者が出たことについては,何故きちんと報じないんだ。いつまで大本営体質なんだ!舐めるてんじゃねぇぞ!

(ちょっと体調が悪いので,今日はこの辺で切り上げます。)