昨日の深夜,掲題のドキュメンタリー番組(再放送)を観た。石牟礼道子さんの生涯を辿ったドキュメンタリーだったのだが,やはり彼女の生涯は私たちにとって一番大切な問いを投げかけているように思った。近代化とは何だったのか。――文明とは,企業・国家とは,自然とは,生きるとは,愛とは何かを,命の根源に遡って問うている。
石牟礼道子の問いを忘れたとき,私たちは腐り堕ちていくのだろう。否,もうすでに腐っている。
現世はいよいよ地獄とやいわん
虚無とやいわん
ただ滅亡の世せまるを待つのみか ここにおいて われらなお 地上にひらく 一輪の花の力を念じて合掌す
(石牟礼道子「花を奉る」より)
番組の半分くらいは別のETV特集で観たものだったが,観ていない場面もあって,最後,石牟礼さんが水俣病患者さんに励まされて涙ぐむシーンには,こちらも思わず涙してしまった。参考までに昨日の番組動画を下に載せておきます。
ETV特集「花を奉る 石牟礼道子の世界」(前半)
ETV特集「花を奉る 石牟礼道子の世界」(後半)