「花を奉る 石牟礼道子の世界」(ETV特集) | ブロッギン敗北【ご愛読ありがとうございました】

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アウシュヴィッツが陸の上のジェノサイド、ヒロシマ・ナガサキが空からのジェノサイドだったとすれば、水俣病は海からのジェノサイドである。(栗原彬)
そして21世紀のいま、史上最悪のジェノサイドがパレスチナの地で、殺人国家イスラエルによって遂行されている…

 何か別のテーマで書こうと思ったのだが,なぜか全部些末な問題に見えてしまって,どうしても気が乗らない。だからまた同じテーマで書いてしまう。

 昨日の深夜,掲題のドキュメンタリー番組(再放送)を観た。石牟礼道子さんの生涯を辿ったドキュメンタリーだったのだが,やはり彼女の生涯は私たちにとって一番大切な問いを投げかけているように思った。近代化とは何だったのか。――文明とは,企業・国家とは,自然とは,生きるとは,愛とは何かを,命の根源に遡って問うている。

 石牟礼道子の問いを忘れたとき,私たちは腐り堕ちていくのだろう。否,もうすでに腐っている。


現世はいよいよ地獄とやいわん

虚無とやいわん

ただ滅亡の世せまるを待つのみか ここにおいて われらなお 地上にひらく 一輪の花の力を念じて合掌す


(石牟礼道子「花を奉る」より)


 番組の半分くらいは別のETV特集で観たものだったが,観ていない場面もあって,最後,石牟礼さんが水俣病患者さんに励まされて涙ぐむシーンには,こちらも思わず涙してしまった。参考までに昨日の番組動画を下に載せておきます。

ETV特集「花を奉る 石牟礼道子の世界」(前半)


ETV特集「花を奉る 石牟礼道子の世界」(後半)