良心的納税拒否 | ブロッギン敗北【ご愛読ありがとうございました】

ブロッギン敗北【ご愛読ありがとうございました】

アウシュヴィッツが陸の上のジェノサイド、ヒロシマ・ナガサキが空からのジェノサイドだったとすれば、水俣病は海からのジェノサイドである。(栗原彬)
そして21世紀のいま、史上最悪のジェノサイドがパレスチナの地で、殺人国家イスラエルによって遂行されている…


 昨日の中日新聞の記事で,GPIFがロッキード・マーチンなどの軍事関連企業の株を買いまくっている事実が暴露されていましたね。軍事部門の売上高が世界上位10社の株は全部保有しているらしい。1位のロッキードや4位のレイセオンは,前回書いたミサイル防衛システムを造っているし,2位のボーイング社はオンボロ輸送機オスプレイの開発をやっている。こうした欧米の軍事関連企業は,中東の紛争にも直接関わっている。そういう紛争請負人的企業を,私たちの支払う年金の保険料が支えているわけである。前回書いたように,戦争や紛争が起こるほど,こういう企業は儲かり,株価も上がる。株価が上がれば,GPIFの運用益も上がる。その利益で日本の高齢者の生活を支えるという構図。年金を確保するためなら,他国の紛争や戦争を助長しても構わない――これはある意味,現政権のインモラルな性格を如実に示しているだろう。
 そもそも年金積立金を株式運用するところから間違っているのである。特定の業種に投資することを禁止する法律がない限り,投資は収益が確実なところに向かう。前回書いたように戦争ビジネスほど儲かる商売はないわけだから,そうした軍事関連企業に投資するのは経済原理からすれば,必然の成り行きである。だから株式運用を規制しなければいけないのに,安倍政権になってから逆に株式運用の比率が大幅に増えた。それは,武器産業に投資しろと言っているようなもの。人殺しの道具を作る資金を供給して,武器製造企業の株価を上げて,自分の国の年金を増やすなんてことが許されていいわけない!
 今年度予算の軍事費(防衛費)にしても,前回書いたようなミサイル防衛などの必要から,過去最大規模の5兆円超だという。これも全部,国民の税金。私たちのお金が,知らないうちに軍事・戦争に転用されている。肝心の私たちの生活や福祉は二の次。優先順位があべこべなのである。庶民の生活を顧みず,大企業・金融・軍事を優先するこんな政権が牛耳る国に,年金も税金も払ってられるか!

 今,私たちは良心的兵役拒否の思想から学ぶべきものが多くあるのではないか,と私は思っています。今,読んでいる宮田光雄『非武装国民抵抗の思想』から引用。

 長期的な平和の展望には,平和の原理に反する国家像にたいして厳しい批判と拒否とをつきつける精神を,国民ひとりびとりが主体的に確立することが必要であろう。その意味で,国家忠誠の根源を問い直し,いわばそれを超える新しい忠誠を要求するものとして,良心的反戦ないし兵役拒否の思想から学びうるところは少なくない。(p.179)

非武装国民抵抗の思想 (岩波新書)/岩波書店

¥価格不明 Amazon.co.jp