おきなわでひいおじいちゃん・・・(今日の「平和の俳句」より) | ブロッギン敗北【ご愛読ありがとうございました】

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アウシュヴィッツが陸の上のジェノサイド、ヒロシマ・ナガサキが空からのジェノサイドだったとすれば、水俣病は海からのジェノサイドである。(栗原彬)
そして21世紀のいま、史上最悪のジェノサイドがパレスチナの地で、殺人国家イスラエルによって遂行されている…


おきなわでひいおじいちゃんしんじゃった
渡辺叶大(10) 愛知県小牧市


 今日の中日新聞朝刊に載っていた「平和の俳句」。この渡辺家一族では四代にわたり共有されている喪失感なのであろう。沖縄戦の悲劇とともに。

 沖縄戦では愛知県民も数千人が亡くなっている。戦後は,全国に先がけて浦添市(後に糸満市摩文仁)に慰霊の碑も建てられた。沖縄戦の悲惨な経験ゆえに基地建設にも強い反対の意思を示している沖縄の人びとの気持ちを理解できる立場にありながら,愛知県は高江・辺野古へ機動隊を派遣して,反対住民を暴力的に排除している。

 こうした行為が違法な警察活動であることは言うまでもないが,それと同時に,こういう状況を放置している私たちの側にも問題があるのではないかと思うのである。これは,まさに倫理の根源に触れる問題。私たちの支払っている税金で活動している自治体警察が沖縄住民に暴力を働いている。それを許していていいのか。一人一人が自らの問題として受け止め反省しなくてはいけない問題だと思う。根源にさかのぼって考えると,個人の倫理が壊れてしまっているから,こういうことになるのではないか。

 「個」の倫理として機動隊派遣とその暴力は許すことができない。だから今回の機動隊派遣違法訴訟にはなんとしても勝ちたい。難しい裁判であることは百も承知だが,安倍政権の手足となって市民を弾圧するヤクザ組織には負けたくない。下が大まかな提訴内容。現実を知ってもらうためにも紹介しておきます。

 沖縄高江への愛知県警機動隊派遣は違法である。2016年7月から12月,沖縄県にあるアメリカ軍北部訓練場のヘリコプター発着場の建設工事に警備の名目で機動隊を派遣した。実質は,建設に反対する住民らを威嚇し,不当な身柄拘束により運動を弾圧し,人権侵害する違法な警察活動があった。
 情報公開請求で明確になった派遣費用の一部,約372万825円を愛知県警に賠償させるよう大村秀章知事に求める。情報開示では明らかになっていない派遣にかかる一切の公金支出の損害賠償を求める。



 倫理の崩壊は,愛知県だけでなく,ホンドのすべての人間たちに言えることであろう。辺見庸さんの表現を借りれば,日本の人民大衆は「心的に複雑骨折してしまっている」。そして,次のように目取真さんに図星を付かれて,「個」としてその問題を真剣に受け止めるホンドの人間がどれだけいるだろうか...。

目取真 日本には戦後ずっと変わらない意思というものがあるんじゃないでしょうか。日米安保は必要だけど,基地負担は自分たちのところで担いたくないから,「沖縄のみなさんに我慢してもらいましょう」ということが続いてきたわけですよ。そのためには,沖縄の反戦運動おおいにけっこう,平和運動も頑張ってください。でも,米軍が撤退するようなことが起こるまでは盛り上がらないでください,というのが,日本人の広範な願望じゃないかと。そういうことを無意識に望んでいると思います。
 (辺見庸・目取真俊『沖縄と国家』角川新書p.88)

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