墓場まで持って行きたい曲 | ブロッギン敗北【ご愛読ありがとうございました】

ブロッギン敗北【ご愛読ありがとうございました】

アウシュヴィッツが陸の上のジェノサイド、ヒロシマ・ナガサキが空からのジェノサイドだったとすれば、水俣病は海からのジェノサイドである。(栗原彬)
そして21世紀のいま、史上最悪のジェノサイドがパレスチナの地で、殺人国家イスラエルによって遂行されている…


 今日は憲法9条は理想論ではないという主旨の記事を書こうと思ったのだが,実は明日,朝早くから小腸造影の検査があり,なんだかそのことで頭が一杯で,書く気力がくじけてしまった。情けない。

 エックス線による透視検査で無駄に被曝をしたくなかったし,検査自体がちょっと苦しくて辛いものでもあるので,ここ5年ほどは小腸の検査をやっていなかったのだが,クローン病でいつまでもやらないわけにはいかないので,今回は観念して受けることにした。昔は毎年のようにやっていたので慣れてはいるものの,鼻から管を入れてバリウムを流し込んでやる検査だから,いつやっても辛いものは辛い。そのことを考えると憂うつで,ここ数日は気分が上がらない。そういうときは心地よい音楽でも聴いて気持ちを落ち着かせようと,今日は久々に音楽をテーマにした記事を上げることにした。

 大げさなタイトルにしてしまったが,そんなに深い意味はなくて,墓場でも心地よく眠れそうな永久不滅の曲ということで,ニーナ・シモンの「I Wish I Knew How It Would Feel to Be Free」を取り上げてみた。最近ニーナ・シモンに捧げるトリビュート・アルバムが出て,なんとその中の6曲をローリン・ヒルが歌っている。ニーナ・シモンの後継者はローリンが一番手ということなのだろう。そのことに異論はないのだが,それにしてもローリンのライブのチケットは何であんなに高価なのか。東京は遠いから大阪のビルボードライブに行こうと思ってチケットの値段を見たら,なんと4万円を越えていてぶったまげた。たぶん会場とかイベンターなどとの関係で,そういうことになったのだろうが,それにしても高すぎる。同じビルボードライブ大阪で行われるコモンやシェリル・リンのライブでも1万円程度。昔メアリー・J・ブライジやビヨンセのライブに行ったときも,確か1万円前後だったような記憶がある。その4倍もするとは,もうセレブや金持ちしか相手にしないということだろうか。庶民を見くびっているなと感じる。別にローリン個人が悪いわけではないと思うが,何だかトリビュート・アルバムも聴く気が失せた。

 今日アップした「I Wish I Knew How It Would Feel to Be Free」はニーナ本人が歌っているオリジナルで,トリビュート・アルバムの最後に収められている。アメリカ公民権運動の隠れたアンセムだが,決して重たい曲ではなくて,「自由ってどんな気分?」と軽やかに歌い上げている。同時に,そこには黒人女性としての誇りや強い意志も感じられて,黒人のみならず,見えない鎖に縛られた多くの者たちへの心強い賛歌,希望の歌になっているように思う。


I Wish I Knew How It Would Feel to Be Free / Nina Simone


自由になるってどんな気分か知ることができたなら
私を縛っているこの鎖を断ち切ることができたなら
言いたいことを全部言えたなら
大きな歌声で はっきりと
世界中に聞こえるように

(中略)

みんなが自由にならなきゃいけないから 私は歌うんだ