全人類的災禍としての原爆 | ブロッギン敗北【ご愛読ありがとうございました】

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アウシュヴィッツが陸の上のジェノサイド、ヒロシマ・ナガサキが空からのジェノサイドだったとすれば、水俣病は海からのジェノサイドである。(栗原彬)
そして21世紀のいま、史上最悪のジェノサイドがパレスチナの地で、殺人国家イスラエルによって遂行されている…


 下の詩は昔,中学国語の教科書に載っていた詩で,個人的には授業をするのに大変苦労した思い出がある。教える側がちゃんとその光景,実態を思い描いていないと,生徒に教えられないからだ。そんな個人的な思い出はともかく,先日の原民喜とともに,この峠三吉は,永久に忘れることのできない原爆詩諸篇を私たちに遺した。特に峠の作品はどれも原爆憎悪・戦争反対の感情がストレートに反映されており,読む者にもその意思が直に伝わってくる。

 原や峠の作品によって,「コレガ人間ナノデス」「にんげんから遠いものにされはてて」という原爆被災の人類的意味が,詩の言葉で私たちの胸に深く刻みつけられたのである。


  仮繃帯所にて   峠 三吉

 あなたたち
 泣いても涙のでどころのない
 わめいても言葉になる唇のない
 もがこうにもつかむ手指の皮膚のない
 あなたたち

 血とあぶら汗と淋巴液(リンパえき)とにまみれた四肢(しし)をばたつかせ
 糸のように塞(ふさ)いだ眼をしろく光らせ
 あおぶくれた腹にわずかに下着のゴム紐だけをとどめ
 恥しいところさえはじることをできなくさせられたあなたたちが
 ああみんなさきほどまでは愛らしい
 女学生だったことを
 たれがほんとうと思えよう

 
  (略) 

 何故こんな目に遭(あ)わねばならぬのか
 なぜこんなめにあわねばならぬのか
 何の為に
 なんのために
 そしてあなたたちは
 すでに自分がどんなすがたで
 にんげんから遠いものにされはてて
 しまっているかを知らない


  (略)


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