昨日は某FM局から「セント・ジェームス病院」が流れてきた。しかもサミー&フリーダム・ユニティという70年代に活躍したらしい日本のバンドが演奏している,結構迫力あるバージョンだったが,You Tube上には上がっていなかったので,ここにはポピュラーな浅川マキ・バージョンをアップした。
「セント・ジェームス病院」も多くのアーティストにカバーされているが,このサミー・バージョンは知らなかった。でもやっぱり個人的にはマキ・バージョンが思い入れが深く,最高だと思う。この曲は,ルイ・アームストロングが演奏して以来,ブルースのクラッシックとして歌い継がれているが,元はアメリカ南部のトラディショナルとも,イングランド,アイルランドの民謡とも言われ,詳しくは知らない。死んだ赤ん坊の亡きがらに会いに行くという詩で始まるこの悲しすぎる黒人霊歌的な曲は,日本では浅川マキぐらいしかまともに歌える人はいないだろう。僕も30年くらい前,マキ姐さんのこの歌を聴きながら,当時は病名さえ聞いたことがない自分の病の,先行きの見えない真っ暗な未来を思い悲嘆に暮れたけれども,それでもマキ姐さんの歌声とトランペットの音色は,鎮魂の祈りにも似た,透明な響きがあって,悲しい中にも心の洗われる思いがしたことを覚えている。真っ暗闇の中でほんの一筋の光を抱いた曲。下は,そんな「セント・ジェームス病院」の一部拙訳と原詩。何となく昔を思い出して書いてみた。
行ってきたのさ セント・ジェームス医院
死んだあの子に会うためさ
寝ていたよ 長く白いテーブルの上で
冷たく やさしく おだやかに
神様 どうか あの子に祝福を
どこに居ようと 今はあの子も
広いこの世を見渡していることよ
だけど俺みたいな やさしい男には出会わないだろうな
もし俺が死んだら 足にはレースの靴を履かせてくれないか
トレンチコートに カウボーイハットだ
時計の鎖には ピカピカの金をつめてくれよ
そうすれば みんな 俺が立派に生きてたと思うだろ。。。
I went down to the St. James infirmary
Saw my baby there
Stretched out on a long white table
So cold...so sweet...so fair
Let her go...let her go...god bless her
Wherever she may be
She can look this wide world over
But she'll never find a sweet man like me
When I die want you to dress me in straight lace shoes
I wanna a boxback coat and a stetson hat
Put a twenty dollar gold piece on my watch chain
So the boys'll know that I died standing flat
セント・ジェームス病院/浅川マキ
今日は あの娘の亡骸に
逢いにきたのさ
セント・ジェームス医院
ここは貧しい病院の
白く冷たいテーブルの上
あの娘の顔は青黒い
貧弱 静か 美しい
いまはあの娘も世界中
何処へでも自由に行ける身さ
だけどあの娘に聞いてみな
俺のようなだめな男に出逢わないだろう
そうさあの娘も運がない
こんな貧しいセント・ジェームス病院
おいらが死んだ時 エナメルの
ピカピカのシューズ穿かせておくれ
それから帽子も忘れずに
時計のくさりも入れて埋めてくれ
だってやつらに悟られたくない
本当はおいらが文無しだってね
(作詞/浅川マキ)
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