今日は,地球環境問題について書くつもりでいたが,急遽,別の話題に変更することにした。環境問題については後日,書く予定。
話題を変更したのは,1985年にアフリカの飢餓救済のために作られた楽曲「ウィー・アー・ザ・ワールド」を,2月1日に再びレコーディングし,その収益金を1月12日に起きたハイチ大地震の救済のために当てる,というニュースを目にしたからである。この「ウィー・アー・ザ・ワールド」は,マイケル・ジャクソンとライオネル・リッチーが作詞、作曲を手がけ、クインシー・ジョーンズがプロデュースした有名なチャリティ・ソングだ。それが再びクインシーのプロデュースでリメイクされるらしい。奇しくも今年は,「ウィー・アー・ザ・ワールド」がレコーディングされてから25年目に当たる。また,このチャリティ・ソングの中心人物であったマイケルへの追悼の意も込められるだろう。この企画自体,彼の存在抜きには成り立たなかったからである。"We Are The World. We Are The Children. We Are The Ones Who Makes A Brighter Day. So Let's Start Giving." という歌詞に込められた彼の「願い」は,今を生きるわれわれが「精神のリレー」として受け継いでいかねばならないものである。
なお余談だが,僕の好きなマイケルの曲は,アルバム「スリラー」の2曲目Baby Be Mine。FMラジオ局のマイケル特集でも,ほとんどかからないが,意外と隠し球的な名曲。実はイントロが非常にかっこいい。
85年のヴァージョンでは,マイケルとライオネルの他,ビリー・ジョエル,スティーヴィー・ワンダー,ブルース・スプリングスティーン,シンディ・ローパーなど総勢48名の人気アーティストが顔を揃えた。これを観て,当時学生だった僕は,音楽のパワーというものを初めて体感し,世界が一つになった瞬間に感動を覚えたものだ。そして,アフリカの飢餓の現状を改めて知らされ,ショックを受けたのも,この曲がきっかけだった。
今回も,アッシャー、ナタリー・コール,ジョン・レジェンド,スティング,ファーギー,アリシア・キーズ,ジャスティン・ティンバーレイクなど,多くのアーティストが参加する可能性があるという。おそらく今回の企画も,ブラック系アーティストが中心となるだろう。というのも,ニュースではあまり報道されないが,ハイチという国は世界で初めての黒人共和国であるからだ。(注)ともあれ,この企画が再び世界を一つにし,ハイチの救済につながることを切に祈る。
ちなみに,以前このブログの「ミスエデュケーション」でローリン・ヒルをレヴューしたときに紹介したフージーズのメンバー,ワイクリフはハイチ人である。彼も今回の地震に際して救済を呼びかける活動を行っている。
(注) 1804年のハイチ革命によって,ハイチはナポレオン軍政下のフランスから独立し,世界初の黒人による共和国,ラテンアメリカ初の独立国家となった。
Michael Jackson "We Are The World" (demo)
Michael Jackson "Baby Be Mine"
Michael Jackson Memorial(追悼式)