古民家鑑定士がゆく…

古民家鑑定士がゆく…

愛媛県松山市で築50年以上の伝統的住宅「古民家」の保存、再活用の提案、厚生労働省認可財団法人職業技能振興会認定資格「古民家鑑定士」として古民家のインスペクション(建物検査)の活動をおこなっています。

財団法人職業技能振興会認定の「古民家鑑定士」「伝統資財施工士」の教本を資格創設時から執筆、他に一般消費者向けの「古民家検定本」や「住育検定」などの書籍も執筆。四国の愛媛県松山市で人に優しいユーザーに感動を与える家づくりを心情にケイズデザイン二級建築士事務所にて住宅の設計をおこないながら、平成24年からは国交省の進める中古住宅流通促進市場創造の為の協議会にて四国の理事を勤めています。

古民家を再生して使用する「再築」に力をいれています。
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鎌倉時代の歌に「ゆひ(結)もやとはで、早苗とりてん」というのが有ります。皆で協力して苗を植えたという意味でしょうか。

結とは、田植え、茅葺の屋根葺きなど一時に多大な労力を要する際におこなう共同労働の事で、主に小さな集落や自治単位における共同作業の制度で一人で行うには多大な費用と期間、そして労力が必要な作業を、集落の住民総出で助け合う、協力し合う相互扶助の考え方です。似たような考え方に「もやい」といのもあり、

その違いは、「ゆい」とは共にはないが、たがいの約束にもとづいて共に事を行う事。「もやい」とは共にあるものが共に事を行うになります。「ゆい」の対義語になる考え方が、「やとう(ふ)」という言葉で、家問うが原義です。頼むべき家々をまわって労力の提供を申し入れ、それによって助けられれば自分の家もそれに応じて返すことを前提としたもので、さらに時代が進むと労力の提供の対価に賃金等を支払うようになり、それが現在の雇うという考えになりました。

昔の民家の建設、茅葺の葺き替えは個人の住宅でもいわば公共事業のようなもので、地域扶助の精神で支えられていました。近代は普請という形で大工さん等には賃金を支払っていましたが、茅葺きや建前など一時的に多くの人夫が必要な時には村人が無償で「ゆい」をおこなっていました。

昭和25年建築基準法が制定され、建てられる住宅の最低限度の基準が設けられると共に、戦後の個人主義の考え方や、高度経済成長での時間短縮、現場での安全確保など様々な要因が重なり「結」は姿を消してしまったと思います。

確かに危険を排除する事は大切ですが、なにがしら地域で支え合う地域扶助の精神は残していきたいですね。
古民家は夏の日差しを遮り室内の温度を高めないように軒が深く出ているのが特徴です。これが室内の暗さの原因。軒を短くすることもできますが、古民家らしいデザインを残すなら天窓がお勧め。リビングの一部等を吹き抜けにして天窓を付ければ明るく快適な空間が生まれます。

吹抜けは寒いというイメージですが、断熱をしっかりとして、薪ストーブ等を設置すれば開放的で温かな空間ができます。断熱性が高いという事は夏場の冷房の効きも良いという事で省エネルギーな住まいになります。

費用の目安…
リビングに天窓、吹抜け工事 150万~