今日、とあるおばあちゃんに
お金を貸してと言われました。


今まで何度か
机を挟んで接客したことのある、
見覚えのあるおばあちゃん。



今日は入ってこられた時から
すごく思い詰めたような様子で
目も潤んでいた。
痩せた身体、弱々しい声。

5万円




おばあちゃんの娘かな?という女性が一人付き添っていた。
だけど、お金の工面を頼んでいる母の横で
ずっとずーーっと黙っていた。

おばあちゃんは、
今日明日いるお金だと言っておられました。
きっと返すから…と。




あたしは、お貸しできるようなお金はないんですと断りました。
それでも粘るおばあちゃん。

相変わらず黙ったままの娘…。

重ねて断るあたし。


すごく暗く重々しい沈黙が続きました。

おばあちゃんは伏し目がち。
あたしも言葉なく伏し目がち。





長い沈黙の後、
口火を切って、もう一度お断りし、
謝りました。

申し訳ありません。








あたしは、母のことを思っていました。
今はまだ元気な母だけど
老いたときに、お金の心配があって
お願いして回る様子…
そうせざるをえない状況に自分の母が置かれたら…

いたたまれないです。
親にお金の苦労はさせたくない。
たとえ病気をすることがあっても
入院費や手術の費用に怯えることなく
満足のいく治療を受けてほしいし。
だから、あたしは働く。
あたしに任せてと言える、頼もしい娘になれるよう、頑張ろうと思った。