日本の食卓にはたくさんのやきものが並ぶ。
ごはん茶碗、味噌汁のお椀、焼き魚、漬物というように,すでに四種類の器が使われる。
豪華になればなるほどその数は増える一方です。
一つの大きなお皿に色々な料理が一緒にのせられることはほとんどないし、そういう盛り付け方を嫌う傾向もある。
最近は「ワンディッシュ」などと称して一つのお皿に色々盛り付けるのも散見さられますが・・・。
では「なぜ、日本の食卓にはたくさんのやきものが必要なのか?」ということを考えると、
その理由の一つには、料理の仕方でそれぞれ食器が必要になるから、ということがあるのではないでしょうか。
料理には、加熱、非加熱と発酵させてから食べるという3つの方法があります。
日本人はその三つの料理方法をうまく使って調理しているといえます。
すると一つの料理方法に対して一つの食器が必要になってきます。
例えば、お刺身は魚を切って盛り付けた料理なので、ほかの温かいものとは一緒にしません。
生のものや冷たいもの、加熱して温かいもの、発酵食品がバランスよく揃えられると、食器の数も自ずと増えていきます。
それぞれの味や香り、温冷が料理どうし移ることなく味わってもらうためには自然と器の数が増えてしまうのだと思うのです。
次に、日本の料理には食べる側が自分の好みに応じて味を変えられるという特徴があると考えられます。
例えば先程のお刺身を取ってみても、醤油の付け方、ワサビの量を変えられます。
お蕎麦も同じように、唐辛子やゆずの皮、刻んだネギを添えてだされます。
最近は日本食とまで言われる世界的に人気のあるラーメンも、醤油、ラー油、胡椒を置くお店はふつうです。
餃子用には酢やおろしニンニク、ラー油を用意してあります。
出されたものをそのまま味を変えないで食べるよりは、好みに応じ食べるほうがより人間的であり、味を楽しむ方法です。
最後に、日本人は一つの器だけから食べることをどこか嫌う傾向があります。
ラーメンにしてもお盆の上に漬物の小皿をつけ添えることがあり、一つの器だけではありません。
これは犬や猫が器に頭を傾けて必死に食べる様子が人とオーバーラップしないようにするためではないかと感じます。
また、三角食べや口中調味といわれる食べ方が根付いていることも考えられます。
箸休めという言葉がありますが、一つだけ食べ続けないで、味の違う他のものを口の中に入れて食べたあと、また戻って食べると前に食べたものの余韻との違いを感じられて、味の違いを楽しむ事ができます。
日本人の食生活にたくさんの“やきもの“が必要になるのは、生で食べる、過熱して食べる、発酵させて食べるという3つの料理方法を駆使していること、好みに応じて味を変えることがあること、一つの器から食べ続けるのではなく、三角食べや口中調味を自然に行っている、という3つの理由があるのではないかと思います。




