一番近くの裏口からスタジオに入って早足で歩く臣くんの少し斜め後ろをスタスタ歩いていく
楓(なんか…すごく見られてる)
コンコン
岩「はい、どうぞー。」
臣 「がんちゃん、お客さん。」
岩 「!??」
がんちゃんは臣の後ろに隠れるように立つ人物に目を向けた
岩 「ぇっ、楓さん?!」
臣 「じゃ、俺収録戻るから。またな。」
岩 「…久しぶり。」
なぜだか気まずくて視線を合わせられない。
楓「うん、久しぶり…だね。
あのね、がんちゃんに伝えたいことがあるの。少し話してもいいかな?」
岩 「どうぞ入って。」
楓「この間は、私のために色々してくれたがんちゃんに失礼なこと言ってしまって…本当にごめんなさい。
あの時ね、これ以上金森氏にされたことを問い詰めたらがんちゃんにも嫌な思いをさせてしまうって思った。私といるとまた困らせてしまうんじゃないかって。
でもあれからいつもがんちゃんのことばかり考えちゃってた。身勝手でワガママかもしれないけど…会いたくてしょうがなかったの。」
岩「俺も毎日楓さんのことばかり考えてたよ。
なにしてるかな?また何かされてないか?大丈夫かな?会いたいなって思ってた。
でもそれが俺の押し付けになってないかって不安もあった。
だから連絡できてなくて…ごめん。」
楓「がんちゃん…っ。
私、がんちゃんがしてくれたことを素直に受け止められず、ごめんなさい。
あの時のがんちゃんの気持ち、すごく嬉しかったよ。」