岩「気分どう?落ち着いてきた?」
楓「うん、少し落ち着いたよ。」
岩「大丈夫になったら家まで送るから。それまでゆっくり休んで。」
楓「ありがとう。」
岩「あのさ…やっぱり俺、許せない。きちんと謝ってもらうべきだと思う。」
楓「あの人たちは私とがんちゃんの仲を勘違いして面白く思っていないんだと思うの。だからあんなことを…。正直、悔しいし悲しかった。きっとがんちゃんの反応を楽しんでいるんです。だけど…ううん、だからもう関わりたくない。がんちゃんを巻き込んで相手の思うツボにはまりたくない…っ。」
岩「それは俺も分かってる。それでもさ、俺は楓さんにしたことは許せないんだ。思い出したりして嫌かもしれないけれど、今日の件、俺に任せてもらいたい。これ以上楓さんには嫌な思いをさせないから。約束する。だから…‼︎」
楓「がんちゃん…」
楓は静かに頷いた
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地下駐車場に止めておいた車まで楓さんと向かった
ハンドルを握りながら頭の中にいくつも話の話題が浮かんでは、すべて言葉にせず飲み込んだ
助手席に座った楓さんはずっと窓の外を見ている…
30分くらい走ったところでナビが目的地周辺を示し、車を道の端に寄せて止めた
楓「この辺りで大丈夫です。送ってくれてありがとうございました。」
岩「本当に大丈夫?」
楓「はい。」
岩「…今日はごめんな。本当なら楽しい気持ちで帰ってもらいたかったのに。」
楓「そんなこと言わないで。がんちゃんが居てくれて良かったよ。」
岩「また必ず連絡するから。これ、俺個人の番号。」
楓「今コールだけするね。それが私の番号です。」
岩「登録しておくよ。楓さん、何かあったらいつでも電話して。」
楓「うん、それじゃぁ…また。」