私は今日、九州で開催されるライブに行くために東京から新幹線に乗っています。




楓「福岡のドームへ行くのは初めてだからもう一度調べておかなくちゃね。」




男子「やっべ!!マジか…」




楓「……?」




隣の席に座っている、今流行りの韓国歌手のようなイケメンの男子がなんだか焦っている。




男子「わー、どーしよ。………。」




男子「あのっ、すみません!ホント申し訳ないんですがスマホか充電器貸していただけませんか?これから試験なんですがその受付事前入力してたら充電切れちゃって…。あと15分で締め切りなんです!お願いします!」




楓「いいですよ、私もiPhoneで充電器持っていますからどうぞ使ってください。」




男子「ありがとうございます!!」




楓「私、終点の博多まで行くのでギリギリまで使ってもらって構わないですよ。」




男子「助かります。」




楓「大学受験?」




男子「はい、そうです。あっ、貸してもらって名前も言わずすみません。俺、黒崎って言います。」




楓「私は石神と申します。」




黒崎「今日が本命の大学試験なんです。よしっ、入力終わった。」



黒崎くんはほっと胸を撫で下ろしたのか柔らかく微笑んだ。



楓「良かったわね、一安心ね。」




新幹線に3時間ほど乗って博多駅に着いた。




駅に着くとなんだか騒がしい様子。