今日はやっとオフ。



コーヒーを飲みながら彼女からもらったCDを聴いた。



大自然の中で深呼吸してるような穏やかな気持ちになる曲、心臓に響くような勢いのある曲などが収録されている。



次々に耳に流れ込む曲からイメージが溢れてきて絵を描きたい気持ちが高ぶった。



岩「よしっ!」




腕まくりをして筆を手に取りキャンパスに向かった。



夢中に描いていたから1日はあっという間に過ぎていった。



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数日後。



仕事の移動中、何気なく開いた彼女のInstagramに



【本日、京都で公演最終日!】の投稿。



それを見て思わずドキッとした。



もしかして、運命?それか神様のイタズラか?



いやいや、どちらにしろナイスタイミング。



彼女とは一度2人でゆっくり話してみたかったんだ。



誰かに自分のことを話すのは避けてきたけれど、不思議なことに彼女に話を聞いて欲しい自分がいる。



移動先に着いてすぐに電話をかけてみた。



プルルルルル…プルルルルル…プルルルルル…



楓「はい、もしもし石神です。」



岩「こんにちは、岩田です。」



楓「こんにちは!お久しぶりです。元気にされてましたか?」



岩「うん。石神さんは?」



楓「変わらず元気ですよ♪今日は仕事でですが京都へ来てて少し卒業旅行気分です(笑)」



岩「インスタ見たけど今日が最終公演なんだってね。良かったらご飯でも行かない?実は俺も今日京都で仕事なんだ。」



楓「えっ?岩田さんも京都に?凄い偶然!!今日、夜なら大丈夫ですよ。」



岩「良かった!!じゃぁ時間は…20時頃から大丈夫?」



楓「はい!」



岩「石神さんは何食べたい?」



楓「なんでも大丈夫ですよ♪でも強いて言うなら、辛いものが食べたいかも。」



岩「じゃぁさ中華料理にしよう!俺○○ホテルに泊まるんだけどそのホテルの中華レストランが有名だったはずだから予約しておくよ。」



楓「えっ?!○○○ホテルですか?」



岩「あっ…、ダメだった?」



楓「いえいえ逆です。私も今日そのホテルに宿泊するんです。」



岩「マジで?!」



楓「えぇ(笑)では20時にレストランで。楽しみにしてます。」



岩「俺も楽しみにしてるよ。それじゃぁ後ほど。」

 



20:00



岩「お待たせ。ごめん、待った?」



楓「いえ、今来たところです。」



岩「良かったぁ。」



楓「お仕事お疲れ様でした。」



岩「石神さんこそ公演お疲れ様。」



楓「ありがとうございます。千秋楽を迎えられて感慨深いです。」



岩「凄いなぁ。CD聴いたよ!凄くエネルギーをもらえた。ありがとう。」



楓「いえいえとんでもないです。まだまだです。」



岩「そんなことないって。」



楓「こっちでの仕事は明日もですか?」



岩「そう、明日は朝から撮影で夕方には東京に戻るよ。」



楓「そうなんですね。実はね、今朝1人で紅葉が綺麗な公園で練習してたんです。そしたら撮影中のNAOTOさんを見かけました。」



岩「あははっ!!そうだったんだ!」



楓「それでその時、岩田さんはいないのかぁって思っていたの。だから今日電話をもらえて嬉しかったです。」