岩「すみません、まだ入場できますか?」



撮影が押してしまい開演時間を少し経過してからの会場到着になってしまった。



係員「ご来場ありがとうございます。後方の空いている席でしたら大丈夫でございます。」



岩「分かりました。ありがとう。」



そっと分厚い扉を開けて会場に入ると既に演奏は始まっていた。



一番後ろの端の席に座って舞台に目を向けると、そこには彼女がいた。



あの日とは少し雰囲気の違うドレスアップされた彼女。



…演奏も彼女もステキだ。



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公演終了後…



スタッフ「お疲れさまです。楓さんこれ、差し入れにっていただいたものです。」



楓「お疲れ様。!!これを持ってきた方は?」



スタッフ「今々でしたからまだ近くにいるかと…」



楓「ありがとう、今から少し出ます。」



スタッフ「えっ?!まだ夜の公演が…!」



楓「大丈夫!すぐ戻るから!」



廊下を走って関係者出入口から出ると、1人の男性の姿が目に入った。



楓「…あの人だわ。」



なぜか自然と後ろ姿で分かった。



楓「すみません!待って!!」