それから数週間後、借りた本を図書館へ返しに来た。
岩(約束の時間までまだ1時間はあるからあの椅子に座って本を読むか…。)
しばらくして誰かが目の前で足を止めた。
岩(しまった。帽子にマスクしてるとはいえ、バレたか…)
女性「こんにちは。この間もいましたよね?」
岩「!?…あ、あの時の!こんにちは。」
女性「少し、お話いいですか?」
岩「はい。」
女性「この間は本当に助かりました。私1人ではどうにもならなかったから…。」
岩「あれからあの方は無事に帰られましたか?」
女性「はい。私が心配で結局一緒にバスに乗って駅まで送りました。」
岩「そうですか!あっそういえば、あの日あの辺りで塞いでた人たちに注意してましたよね?」
女性「見てたんですね。私どうしても無視できなくて。思ったらズバズバ言っちゃうタイプなんです(笑)」
岩「凛としてかっこ良かった。なかなか言えない事ですよ。」
女性「ありがとう。そうだ!この間のお礼としては何ですがコレ…」
女性から手渡されたのは演奏会のチケット。
岩「ヴァイオリンのコンサート?」
女性「良かったら来て下さいね。それでは。」
女性はニコッと笑って図書館へと入っていった。
もらったチケットのコンサートについて調べてみたら驚いた。
岩「彼女…ヴァイオリニストだったのか。」
出演ヴァイオリニスト:石神 楓