莉子「少し不安なの。このままがんちゃんの側にいていいのかなって。
がんちゃんには嘘をつきなくないから正直に話すね。
私ね…愛するってことがよく分からないんだ。
愛してるって気持ちが分からないの。
がんちゃんのことは好きで、特別で、一緒にいたいって思うの。
でも今「愛してる?」って聞かれたら私きっと即答できないかも…ごめん。
“愛していない”じゃなくて愛が分からないの。
今まで生きてきて誰一人、愛してるって思ったことがなくて。
そんな私だから、好きなのかな?って不安にさせたのかなって…」
岩「…。」
莉子「なんか上手く言えなくてごめんなさい…」
莉子の目から涙が溢れた
岩「分かったよ。」
莉子「えっ??」
岩「俺は莉子に出逢って、何時間、何日か一緒に過ごして愛することは文字や形で教わるものじゃないって分かったんだ。」
莉子「…っ。」
岩「俺が莉子を愛する。俺が莉子を不安から救ってやる。だからもう泣かなくていい。」
莉子「愛にならないなら…ってがんちゃん離れていっちゃわない?」
岩「俺そんな風に見えてる?」
莉子は首を左右に振った
岩「分かってんじゃん。大丈夫。」
剛典は莉子の身体を優しく抱きしめた
莉子「がんちゃん…っ。」
俺は莉子を今よりも愛し続ける。
なんなら愛を教えて欲しいのは俺の方かもしれない。
莉子の愛を俺だけに教えてくれないか。
fin
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数日後のLINE
麻衣《羨ましいな~、迎えにきてくれる紳士な彼氏さんで♡》
莉子《麻衣も乗っていけば良かったのにって言ってたよ?》
麻衣《2人の邪魔するのはさすがに悪いでしょ~。私の乗る電車は動いてたし!》
莉子《お互いに仕事が忙しくてなかなか会えないのがちょっと悲しいところだけどね。》
麻衣《それでも実際に会えるだけいいじゃない?》
莉子《そうだね。》
麻衣《莉子、自分に嘘ついたり気持ちを我慢しすぎたりしてない?大丈夫?》
莉子《大丈夫、もう昔のようにはならないよ。彼には素直に話せるんだ。彼なら私のこと受け止めてくれるように思ってるし、私もすごく信じれてるから。》