剛典「ミサ、大丈夫か?」
ミサ「うん大丈夫。ありがとう、助けてくれて。」
剛典「あぁ…。」
臣「あんた強いんだな。何者だ?」
剛典「俺はただの旅人。戦い方は護身用に学んだだけだ。」
ミサ「そうなの?観光に来てるなら私がこの街案内してあげるよ!」
剛典「え、いやそれは…」
ミサ「遠慮なく〜!さっきのお礼だから♡」
臣「ミサのこと心配だけど俺は仕事があるからなー。あんたが一緒にいてくれたらミサも安心できるだろ。」
剛典「…。」
ミサ「よしっ、決まりね!」
それからミサは街をあちこち案内してくれた。
広場にある噴水から地元民しか行かないような穴場の店や、街のはずれにある教会を一緒に巡った。
ミサ「そういえば今日泊まるところ決まってるの?」
剛典「いや、まだ決まってない。」
ミサ「それならうちに泊まっていいよ!来客用の部屋あるから!」
剛典「さすがにそこまでは…」
ミサ「いいから、いいから♪」
半ば強引に俺はミサの家に泊まることになった。
店で夕食を済ませてまっすぐミサの家へと向かった。
用意してくれた部屋へ入ってベッドに横にはなったが…眠れない。
コンコンッ
ミサ「…ねぇ…まだ起きてる?」
剛典「あぁ。」
ミサ「良かったらこっちで話さない?」
ミサ「改めて今日はありがとう。」
剛典「ミサ、追われたのは初めてなのか?」
ミサ「ううん…子供の頃にも一度。私魔女だから仕方ないよね。」
剛典「魔女だから逃げる方法はあるんじゃないのか?飛ぶ魔法とか。」
ミサ「魔女だからってみんな飛べるわけじゃないんだな〜それが(笑)」
剛典「そうなのか?!」
ミサ「私は飛べない魔女。お母さんもそうだった。」
剛典「魔女は魔女の家系ってやつか?」
ミサ「ん〜とちょっと違うかな。魔女はね、産まれた時は魔女じゃないの。魔女の力は引き渡すものなの。…魔女は魔女のまま死ねないの。」
剛典「ふぅん、そうなのか。」
ミサ「タカノリは私が魔女って知って嫌じゃないの?怖がる人もいるんだよ。」
剛典「ミサはミサだろ?人間誰だって他の誰とも一緒じゃない。だから自分とは違う魔女だからって嫌う理由にはならない。」
ミサ「…ありがとう。」