ミサ「痛いっ、やめて!」
剛典「何してんだっ!」
直己「貴様には関係ない。」
剛典「離せ。ミサは渡さない。」
タカノリは背負っていた剣を両手で握り、そして構えた。
直己「ほぉ…戦い方は多少身につけてるみたいだな。」
ミサ「タカノリ!」
直己「まぁ私の出る幕じゃないがな。」
将軍と共に来ていた兵士がタカノリを取り囲む。
剛典「ミサ、必ず助けるからな!」
剣を振るタカノリの動きは素早くて強く、あっという間に兵士は倒れていった。
直己「貴様何者だ?」
剛典「ミサを守りたいと思ってる者だ。」
将軍「仕方ない、私が相手になろう。」
将軍とタカノリが向き合うと同時に激しく剣と剣がぶつかった。
ミサは2人の空気に圧倒され地面に座り込んだまま動けずにいた。
何度も剣と剣がぶつかる音が響く中、後ろからトントンと肩を叩かれた。
ミサ「オミ!」
臣「今のうちに。立てるか?」
ミサ「うん。」
臣「騒がしいなと思ってきてみたら大暴れしてんじゃんアイツ。」
直己「しまった!」
剛典「今だ!!」
タカノリの剣が当たり、将軍が身に着ける鋼の鎧が壊れ落ちた。
直己「くっそ…っ」
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国王「将軍どういうことだ!」
直己「申し訳ありません。予想外の邪魔者が入りまして…」
国王「必ず連れてくるのだ。と、私はそう言わなかったか?」
直己「…はい。」
隆二(王子)「…やはり無理矢理連れて来ようとすることが間違っていたんですよ。僕が出向きます。」
直己「殿下!殿下にそんなお手を煩わせることはっ…!」
隆二「いや、僕は彼女に会いに行こうと思う。父さんいいですよね?」
国王「お前がそう言うなら…」
隆二「ありがとうございます。」