森の狭い道を進んだ先にケガをして泣いている子供とその母親がいた。



子供「痛いよ〜お母さん痛いよ〜」



ミサ「あの!大丈夫ですか?」



母親「どうしよう、かなり出血してるけど医者に連れていくには私だけでは…」



ミサ「ちょっと見せて?」



そう言いミサが手をかざすと子供のケガがすーっと治っていった。



母親「!!」



子供「痛くなくなったよ、お母さん!」



母親「あなた…」



ミサ「ここだけの秘密ですよ。」



母親「は、はい。ありがとうございます。」



ミサ「…あれっ?!タカノリいたの?」



剛典「あぁ。」



ミサ「驚いた…よね?私ね、魔女なの。」



剛典「いや別に謝ることじゃない。子供は元気になったんだからさ。」



ミサ「うん…。」



剛典「これ、返し忘れてたから。」



ミサ「わざわざ良かったのに。ありがとう。」



臣「おいっ!ミサ!」



ミサ「オミ!どうしたの?」



臣「どうしたってお前が森に行ったって聞いたからさ。大丈夫か?」



ミサ「大丈夫よ♪」



オミは近くにいる親子を見た。



臣「…力使ったのか?」



剛典「あんたは知ってるんだな。」



ミサ「紹介するね。彼は幼馴染のオミ。私が魔女だってことは小さい頃から知ってる唯一の人なの。」



剛典「そうか。」



臣「…誰にも言うなよ。特に国のやつにはな。」



ミサ「そんな心配いらないよ。ね、タカノリ♪」



剛典「ああ。」


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しかし数日後、市場の人がケガを治してもらったという噂が広がり始めた。



それを知ったオミにしばらくパン屋の仕事は休んでろ。と言われて今日は家でゆっくり過ごすつもり。



バンッ!!



玄関のドアが蹴られて勢いよく開いた。


直己(将軍)「やっと見つけた。」



ミサ「!!誰?」



直己「さぁ、私と来てもらおうか。」



ミサ「嫌っ!離して!」



腕を掴まれたミサは家の外へと連れ出された。