恋が愛になることなく人生終わるかもなって思ってた。


こんなにも愛しいと思う人に出逢えるなんて思ってなかった。



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空き時間に莉子のカフェへ来た。



closeになっており、ガラス越しに覗く店内には誰もいない。



岩「やっぱ、連絡してから来れば良かったな〜」



また来ようと思い車に戻った時、楽しそうに話ながら歩く莉子とがたいのいい長身の男性が目に入った。



身近な人に例えるならばAKIRAさんのような感じの男性。



買い物へ行っていたのか二人の両手にはたくさんの買い物袋が持たれている。



店内に入った二人は楽しそうに話をしている。



なにか冗談話か笑い話でもしたのか男性は莉子の頭を撫でた。



岩(っ!!あーっ、なんでもいいから大きな声で叫びたい気分だ。)



その日の夜は二人の姿が頭をチラついて仕方がなかった。




翌日、俺は同じ時間にカフェへと足を運んだ。



男性「すみません、まだ準備中です。」



岩「いえ、客ではないんです。莉子ちゃんいますか?」



男性「莉子…ですか?」



岩(呼び捨てかよ!!)



男性「失礼ですが、どのようなご要件…」



莉子「あ!来てくれたんだ!」



岩「おはよ!ちょっと近くまで来てたから。今いい?」



莉子「どうぞ、入って入って。」



岩「…莉子ちゃんこの人は?新しいスタッフさん…?」



焦りが表情に出ないように少し笑顔を作った。



莉子「えっと、私のお兄ちゃん。」



岩「お、お兄さん?!」



莉子「ふふふ、私と似てないでしょ(笑)お兄ちゃん、こちらは岩田さん。」



莉子兄「初めまして。」



岩「は、初めまして、岩田です。」



莉子「がんちゃん珈琲飲んでいく?新しい豆入ったの。」



岩「うん、ありがとう、いただくよ。」



勝手に勘違いしていた自分が恥ずかしくなって帽子を被り直した。