美咲「…。」



コンコンッ



美咲「はい?」




家政婦「旦那様がお客様がみえたからとお呼びです。」




美咲「私を?」




家政婦「はい。応接間までお願いします。」




美咲「…分かりました。」



お父さんが接客中に私を呼ぶなんて…




なんだろう?








コンコンッ



美咲「失礼します。」




父「入りなさい。」



ガチャ



父「こちら、次期選挙で隣の選挙区から同じ党代表として出馬する橘くんだ。
  こっちは末娘の美咲。」




美咲「…初めまして。」




橘「初めまして、橘と申します。」



父「これから講演会などでまた会うことがあるだろうと思ってね。紹介だけしておこう。」



橘「いつも中堂先生には大変お世話になっています。
  今後またお会いすることもあるかと思います、宜しくお願いします。」




美咲「はい。
   私はほとんど政治には関わっておりませんが…宜しくお願いします。」




父「美咲は今は一般企業に勤めているが、今後は分からないだろう?」




美咲「!!!
   いえ、それはないかと。
   ‎私、今の仕事好きですから。」



父「ハハハッ、頑固なところは私に似たのかな?アハハハ」




橘「頑固ではなく熱心だと思います。
  それに、好きな仕事に真っすぐ打ち込みたいと思うのは、僕も同じですよ。」



話す橘さんと目が合った。




美咲「…。」




父「もうそろそろ出る時間かな?」




橘「そうですね。先生。
  美咲さん、今日お会いできて良かったです。」



美咲「いえ。それでは私は失礼します。」




私は会釈をして応接間を出て部屋へ戻った。




橘「美咲さん、おきれいですね。
  そしてしっかりとした強い方のようですね。」




父「花も綺麗だけではダメだろ?
  より輝くには強くなくてはな。
 
  ‎美咲は亡くなった妻によく似ている…。」




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美咲「…ふぅ。何だったの一体。」



部屋に戻り、置きっぱなしにしてあったスマホを確認すると着信があったことを表示していた。



美咲「着信…。がんちゃんっ!?」