がんちゃんとのKiss…久しぶりだった…。
私よりも撮影での女優さんとのKissの方が多かったりして…!?
余韻の残る唇に触れ、自分勝手にあわあわしながら家へと急いだ。
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がんちゃんと数分会えた日から連絡が取り合えないまま、あっという間に2ヶ月が過ぎた。
寂しさや不安をごまかすように、私はがむしゃらに仕事に取り組んだ。
◆「今日は遅くなっちゃったなー。」
同僚「終電ヤバイんじゃない?もう上がったら?」
◆「わっ!本当ですね!お先に失礼しますっ!」
パソコンをおとしてパパッとデスクを片付けると早足でエレベーターに乗った。
ビルの出口を走り抜けようとした時、数名のスタッフと話しながら歩く隆二さんが目に入った。
私は遠くからペコっとお辞儀をして出口へ向かった。
隆「ちょっとすみません、先行ってて下さい。」
スタッフ「分かりました。」
隆「◆ちゃん!」
隆二さんの私を小さめに読んだ声は誰もいないフロアに響いた。
◆「お疲れ様です。」
隆「お疲れ様。こんな遅くまで残業?」
◆「はい、今色々重なって忙しくて。」
隆「そうなんだ。
あっ、この後飲みに行かない?
俺今から衣装チェックだけしたらすぐに終わるから、少し待ってて。」
◆「ありがとうございます、でも…」
隆「ごめん、今からなにか約束があった?」
◆「違うんです、あの私、彼氏がいて…、
岩田剛典さんとお付き合いしてるんです!」
隆「?!」
◆「がんちゃんは私の彼氏なんです…!」
隆二さんに思い切って打ち明けた。
◆「いきなりびっくりするようなこと話してごめんなさい。
でも、隆二さんのまっすぐな優しさや想いを受け止めるには私もまっすぐ思いを打ち明けなきゃ申し分ないと思って。」
隆「そっか…◆ちゃん彼氏いたんだ。
彼氏、がんちゃんかーー。」
◆「隆二さん?」
隆「驚いたけど、ちょっと安心した。」
◆「え?」
隆「この間悩んでいたみたいだったけど、◆ちゃんには支えになってくれる相手がいて、しかもそれががんちゃんなら知らないヤツよりも何倍も安心だわ。」
隆二さんはニコッと笑った。
隆「いつか食事、がんちゃんとかも誘って一緒に行こう!」
◆「はいっ。」
隆「遅いし、帰るタクシー呼ぼうか?」
◆「いえ、大丈夫です。」
隆「じゃぁ…気をつけて。」
隆二さんは手を振り、エレベーターへ乗った。
がんちゃんと付き合っていることを思いきって話した私の心はドキドキしていたけれど、同時にとてもスッキリした感じだった。