ちょっと考えてみてください。

ミネラルウォーターが欲しくなってコンビニに立ち寄ったとしましょう。美味しそうなのを一本選んでレジに行きました。値札には100円と書かれています。しかし、財布を見てみるとなんと80円しか入っていませんでした。

では、このミネラルウォーターを買えますか。買えませんね。ミネラルウォーターの値段が100円なので、100円を支払って初めて手に入れることができます。これが契約の考え方です。

仕事についても考え方は同じです。100の労働と100の賃金の交換です。もし、ある朝二日酔いで午前中仕事にならなかったとしたら、100の賃金に対して労働が50とか60ということになりますね。

つまり、労働契約の債務不履行又は不完全履行ということになります。このように、従業員は労働基準法に守られているという側面だけではなく、契約という厳しい側面も併せて知っておく必要があります。経営者は、100の賃金を支払わなければ厳しく罰せられますが、労働者に対しては罰する法律がないので、問題がついつい見逃されてしまいがちです。

学校でもこういうことを教えてくれません。社会人になって初めて知るのが労働者保護の労働基準法だというのは、かわいそうな気がします。 先に、ノーワークノーペイの原則をはじめ契約の考え方を知るということが、長い社会人人生にとって大切なことではないかと思います。

(江尻育弘)
先週の金曜日から日曜日にかけて2泊3日で宮古島に出張に行ってきました。

1日目は、お客様の障がい者施設と有料老人ホームを回りました。特に、障がい者施設は就労支援B型の施設で、利用者に支払う工賃が多い人で60,000円あまりあり、通常の施設の平均が10,000円から12,000円ということを考えると、かなりうまくいっているケースだと言えそうです。また、職場の雰囲気がとても落ち着いていました。人間関係も良好という感じ。

IMG_10112日目は、午前中に宮古産業まつりの見学をし、午後はホテルで県に出すレポートと次の日のセミナーの前準備をしていました。産業まつりではいろいろ地元の産業について勉強できましたが、気になったのは黒糖の値段。手間がかかる割には200グラム100円というので本当に薄利なんだと思います。一方で、雪塩のように付加価値のしっかりついている商品もある。付加価値はどこに行ってもテーマであることを実感し、会場を後にしました。

3日目は、朝から創業塾(商工会議所主催)でこれから創業をされるかた向けに、人材マネジメントを通していかに売上を上げるかということを講義してきました。彼らにとって最大のテーマは、何よりも売上ですからね。そして、講義を終えて夕方那覇に帰ってきました。

明日はもう月曜日。また明日から頑張ります。

(江尻育弘)
ある介護施設で、調理スタッフが面白い動画を作ってくれました。

テーマは、食事のとろみづけです。

もっとも咽下(嚥下:飲み込むこと)しやすいのがヨーグルトと言われています。
このヨーグルトにとろみをつけて、トレイを斜めにしてたらします。
そして、どのくらいのスピードで流れるのが良いとろみなのかを説明するシンプルな動画です。

これを従来の文字で表そうとしても限界がありますね。

それを動画という形で、誰にでも分かりやすいマニュアルを作ってくれたわけです。

介護スタッフの皆さんからは、とろみの付け方が良くわかったと高く評価する感想を頂きました。

マニュアルをスタッフ自ら動画で撮る意味は・・・
1.紙ベースのマニュアルよりも動画ベースのマニュアルの方が作成が簡単
2.仕事仲間がでているので市販のDVDよりも観る
3.何も準備せずに撮ると「ちゃんと」「そこ」「あそこ」など、視聴者に伝わらない表現があり、教え手として改善すべき点が良くわかる

などがあります。

ハード面においても、近頃は、ハードディスクが大容量化し、また安価になりました。

仕事力(実力)はインプットではなくアウトプットで身に付くと言われています。
動画をスタッフが撮ることが、人材育成の機会になりますね。
作成した動画を観るときには、チェックシートを用意します。

そうすれば、理解度も把握できます。

(江尻育弘)
最近は、経営理念がきちんと整備されている会社が周りにも増えています。

しかし、その経営理念が一般従業員にまで腹落ちされている会社はどの位あるでしょうか?
最悪、理念が飾ってあるだけという会社も多いのでは?
せっかく経営理念を作ったのにもったいないですね。

毎朝経営理念の唱和を始めた会社さんがあります。でも、従業員へはいっこうに浸透しません。単に言葉面だけを丸暗記しただけになっています。

経営理念というのは抽象的です。唱和だけでは浸透しません。具体事例を出し合うことが大切ですね。
そこで、ワールドカフェを開催し、従業員同士具体的事例を出し合って話し合ってもらいました。

例えば、経営理念に社会貢献とありますが、例えばどういう具体的な事例がありますか?ということを出し合いました。

しばらく沈黙が続いた後、「うちは皆で地域清掃をやってるよね。」と一人が言いました。
一同なるほど、とうなずき・・・、その後は、活発に具体例が挙がってきました。
何も難しいことはありません。たったこれだけです。でも、格段に浸透度は上がりました。

話は変わりますが、沖縄県では今、人材育成企業認証制度というものを全国に先駆けて始めています。

ざっというと、人材育成に積極的に取り組んでいる企業に対して県がお墨付きを出そうというものです。
この認証を取ると、人の採用にも有利になります。

その認証を受けたい企業に対するアンケートでも、経営理念の一般従業員への浸透度合いを重要視しています。

例えば、、、

認証制度のアンケート項目として下記のような質問があります。

ーーーーー
1-1
組織として目指す姿、期待される行動や人材像等が明確に定義されている。
1-2
「期待される人材像」に基づいて人材の採用が行われ、その基準が評価制度や人材の登用基準にも十分反映されている。
1-3
組織として目指す姿や、期待される人材像の意味するところが社員にも広く浸透し、共有され、具体的な仕事の場面での意味を社員一人一人が理解している。
ーーーーー

1-1は高得点でクリアできても、浸透していなければ1-2、1-3と順々に得点が落ちて、全体としてクリアできません。

全体をクリアする為には、具体事例を出し合い共有するなどして、従業員全員がしっかりと腹落ちしていることがとても重要だと思います。

(江尻育弘)
■人材育成企業に共通するもの

次に、人材育成企業に共通する、社員の成長実感、成長予感、職場への意識(社員の会社に対する評価)と特に相関が高かった質問項目は、次の5項目に集約されます。

①経営者・管理者の社員とのコミュニケーションに関する態度
②社内の雰囲気づくり・場づくり
③仕事の与え方・任せ方
④評価・フィードバック
⑤個人としての、次のステップの可視化

上記の5項目が良くできている企業ほど、人材育成ができているということですね。

5項目と質問項目の関係は下記のとおりです。

①経営者・管理者の社員とのコミュニケーションに関する態度
Q2.経営者が社員に求めている役割や期待するものが、明確に伝わっている(経営層との意思の疎通)
Q4.経営者や管理者は社員に対して、必要なときはアドバイスをしたり、相談にのっている(コミュニケーション)
Q11.経営者や管理者は、社員の意見に対し、明解に回答するなど、積極的に対応してくれる(コミュニケーション)

②社内の雰囲気づくり・場づくり
Q6.社内には、社員同士が常に質問しやすくアドバイスしあえる雰囲気がある(社内の雰囲気)
Q12.ひとつひとりの社員の人間性が尊重される雰囲気がある(社内の雰囲気)
Q13.年齢・役職に関係なく、仕事に対する発言ができる雰囲気がある(社内の雰囲気)

③仕事の与え方・任せ方
Q8.経営者や管理者、上司は、あなたを信頼して仕事を任せてくれる(社内の雰囲気)
Q27.経営者や管理者は、あなたが失敗したときに励ましてくれる(社員に対する評価)
Q30.社員の役割や仕事の配分、人員の配置が適切に行われている(労働環境)
Q31.やる気のある社員には、チャンスが多く与えられている(機会の提供)
Q32.社員が失敗しても再びチャンスを与えられている(機会の提供)

④評価・フィードバック
Q25.経営者や管理者は、仕事の結果だけでなく、あなたの仕事に対する姿勢や取り組みなどを的確に評価している(社員に対する評価)
Q26.あなたの仕事ぶりに対して周囲の人々の反応(褒められる、アドバイスなど)から、仕事上のヒントや啓発を得ている(社員に対する評価)

⑤個人としての、次のステップの可視化
Q19.社員としての成長や次のステップについて、経営者や管理者が具体的に考えてくれている(人材育成)
Q22.目標となる上司や先輩がいる(成長予感)
Q24.あなたが目指す、次のステップが具体的にイメージできている(成長予感)

これらを見ていくと、人材育成に関して特に重要なことは、環境作りや人間関係のコミュニケーションだと言えそうです。制度を作ってスタッフを枠にはめるというイメージとは少し違います。今回の調査で、かなり多くの事業所で経営者・管理者と一般従業員の間でコミュニケーションギャップがあることもわかりました。

(江尻育弘)