(ご本人の許可をいただいて掲載いたしております)
症例9 自律神経失調症 32歳女性 160cm48kg
望診(外観からの状態判断)
とても痩せている、顔色が黒色、視点が定まらない、疲れた症状。
問診(質問による状態判断)
・本日は調子がいつもよりは良く、外出できた。いつもは昼過ぎまで布団に篭る
・数件心療内科病院へ行き、自律神経失調症またはうつ病と診断された。
・朝が一番やる気が出ない。太陽の出ている間はやる気にならない。夜になると段々身体がさえてくる。
・睡眠剤・抗欝剤、安定剤など服用している。身体がだるく最近では死にたいと思うこともある。
・昔から神経質だったが、結婚問題などが症状を悪化させた。
・深夜などは眠れないため、だらだらとテレビなどで時間を過ごす。夜2~3時にようやく布団に入る。
・食欲はあるが、夜11時くらいから過剰になる。便秘気味、小水4回、水分多い。
・月経不定、期間も2日くらい。
・仕事は事務職で現在休職しているが、このままでは解雇される心配がありとても不安。
舌診(舌による状態判断)
紅、苔がない。
弁証論治(中医学的考察)
心配ごとが多く悩みが絶えない。自らで自らを傷つけている様子、心労が多い。以上から心脾両虚と判断
鍼やお灸を敬遠されている。時間がかかることをご説明し、漢方薬と健康食品をご服用いただくことにする
方剤と経過
平成21年9月24日初来店
以上の考察より 漢方薬(帰脾錠)(1回6錠 1日3回食間に)、健康食品は錠剤のもの1瓶60錠1日2回2錠服用と液体のもの(50mlを10本)1日1回、30~50mlの2種類を御服用いただくことにする。
平成21年10月12日2診
少し良い。特に液体の健康食品はとてもお体に合うようで、御服用1日目から夜11時にすぐ眠ることができた
続行 帰脾錠、錠剤と液体の健康食品
平成21年11月10日3診
少しずつ状態が上向き加減。続行
平成21年12月1日4診
顔色黒味が取れてきた感じ、少しずつ笑顔も出るようになってきた。職場にも復帰している。
現在も続行中
考察
中医学的「心脾両虚」の症状ではありますが、ストレス社会、人間関係など様々な問題が多く、本来の人間らしい生活が損なわれがちです。我々も食べ物・飲み物・睡眠・環境などを見直すべきときがきているのでは?
と考えさせられる症例でした。