私札幌市厚別区にて漢方相談薬局 一吉漢方薬局の薬剤師・鍼灸師です
以下に当店ご来店のお客様の症状と対応について記述いたしました。
ご覧いただければと思います。
もしご興味があればホームページ http://www.e-ichiyoshi.jp/ もご覧いただければと思います。よろしくお願いいたします
(ご本人の許可をいただいて掲載いたしております)
症例7 床ずれ(ジョクソウ) 85歳女性 140cm33kg
望診(外観からの状態判断)
寝たきりのご家族の説明ですが、色白、痩せている、尻と腰の上の部分が赤黒く変色、一部がただれている
問診(質問による状態判断)
・5年前脳梗塞になり、予後リハビリを行い、ある程度までの歩行や日常生活を行っていた。
・昨年脳梗塞を再発、リハビリも行っているが、最近では横になることが多くなっていた。
・2週間ほど前、洋服を着替えさせようとしたとき床ずれがあることを発見した。
・病院にて抗生剤の軟膏を投薬されたが、あまり効果がなく、徐々に悪化。
・現在では患部に膿と出血が見られる。(本人はあまり痛がらない)
・水分少ない、小水紙おむつのため正確な回数はわからない。食欲はある みかんが好き 大便1日1行
・下剤と血栓予防の薬を服用している。
・ コレステロールが高い
・ 低体温、疲れやすい、低血圧
舌診(舌による状態判断)
不明
弁証論治(中医学的考察)
ご家族のお話から気虚血オから傷の治りも悪く、血液循環の不良から床ずれを生じたと判断し、自然薬を内服と外用に紫雲膏とタイツコウを使用する。自然薬は大好きなお茶に混ぜることもできるのでとても良いと感じられる
方剤と経過
平成22年1月7日初来店
以上の考察より 自然薬(松寿仙)1本(1回2ml 1日3回食前に)、紫雲膏は化膿していない部分に、タイツコウは化膿している部分に使用し様子を見ていただく。
平成22年1月22日2診
床ずれやや減じた。化膿している部分も良化し始めている。
続行 自然薬(松寿仙)1本
平成22年2月6日3診
床ずれが半分くらいに減じた。身体も温かくなり、床ずれの部分に少し痛みも感じるようになってきた。
現在も続行中
考察
中医学的「気虚」になると自然治癒力が著しく低下いたします。お身体を動かすことも疲れやすくできなくなり
寝たきり状態が加速することにもなります。
ご家族の方もご負担が多く大変ではございますが、気を補い、少しずつでもお身体を動かすことができるようにお手伝いされることで寝たきりの予防に繋げていただければと思います。