私札幌市厚別区にて漢方相談薬局 一吉漢方薬局の薬剤師・鍼灸師です

以下に当店ご来店のお客様の症状と対応について記述いたしました。

ご覧いただければと思います。

もしご興味があればホームページ http://www.e-ichiyoshi.jp/ もご覧いただければと思います。よろしくお願いいたします。


(ご本人の許可をいただいて掲載いたしております)

症例5 アトピー性皮膚炎 女性9歳 144cm体重33kg 小学3年生

望診(外観からの状態判断)

   物静か、あまり話さず緊張している、顔、手、足に紅斑、特に手関節・指関節・膝関節と裏側にかさぶた

   瞼から浸出液、頭皮から白いフケ(脂状)、唇切れて出血、鼻水が出やすい様

問診(質問による状態判断)

・2歳頃風邪をひいてから鼻炎アレルギーが始まり、それと同時に少しずつアトピーが出てきた。

・最初は手関節と膝裏に出始め、徐々に全身に広がった。夏季・秋季に悪化しやすい。

・少食、胃腸が弱い、ストレスが多く、よく腸(胃の下)が痛くなる。便秘と下痢を繰り返す。

・とても疲れやすい。

・友人関係がうまくいかず、学校も休むことが多い。

・小水1日3~4回、水分多飲 なるべく温かいものを飲む。

・シャワーでも痛むため、2日に1回、入浴はしない。

・食事には気をつけている。添加物のないものを食べ、市販のスナック菓子などは食べない。

・勉強しても皮膚が悪化するため、ご両親は学力的なことも心配されている。

・夜もよく眼が覚める。夜型の体質に変わっていることが心配(痒みが夜強いため)

・ステロイドを6年使用(デルモベート使用)少しでも減じたい。

舌診(舌による状態判断)

  先端がとても赤い、痩少、苔がない

弁証論治(中医学的考察)

典型的な肝脾不和、血熱のアトピーである。しかしアトピーやアレルギーに関しては、現代病であるため

中医学的弁証だけではなく、アレルゲンや原因を考慮する必要があります。アトピーで必要なことは

1:現在の居住環境 2:食生活 3:現在の人間関係 以上も重要になります。

痒みを一時的に止める経絡への鍼灸治療も考慮できるが、金属アレルギーの可能性もあり不適と考えた。

 方剤と経過

平成21年7月15日初来店

以上の考察より、まずご両親・ご本人に長期間時間を有することをご説明、症状には良化悪化するときが

あることをご理解いただいた。一時的な変化はあっても粘り強く御服用いただくようにご説明ご理解を

いただきました。

 漢方薬(煎じ薬・消風散とエキス剤・胸汗)と免疫を調整する健康食品、を10日分

                    

平成21年7月25日2診

顔・頭皮は良化し始めたが手足の紅斑は悪化した。痒みは少し減じた。ストレスによる腹痛は少し減じた。

少し笑ってくれた。(これがとてもうれしかったです。) 続行10日分

平成21年12月1日3診

わずかずつ、手足の紅斑が減じている、頭皮は相当良化した。瞼の浸出液もほとんどなくなり、皮膚の再生が

 進んでいる。 このあとも少しずつ方剤・健康食品などを変化させながら現在に至っております。

考察

アトピー性皮膚炎には根気が必要です。まずお食事や水など様々考慮する必要がございます。

まず1日掻くことのない日を作る努力が大切です。

大気汚染や地球温暖化などがアレルギーの増加に繋がっていると考えられます。

今後も増加するアレルギーに対してどのように対応していくのか大きな課題であると思います。


ご興味のおありになる方は、一吉漢方薬局のホームページ

http://www.e-ichiyoshi.jp/


をご覧いただければと思います。

よろしくお願いいたします。