前回は、お子さんが学ぶために必要な土台となる

「学習態勢」についてお伝えしました。

 

今回は「指示理解」についてお話ししますね。

 

「おもちゃを片付けてね。」
「靴を履こう。」
「座ってね。」

毎日の子育ての中で、

こんな声かけをする場面はたくさんありますよね。

 

でも…

「何度言っても動かない」
「5回くらい言うとやっと動く」
「ママの言うことは聞かないのに、先生にはすぐ動く悲しい

そんな経験はありませんか?

 

 

実は、これは珍しいことではありません。

発達にゆっくりさのあるお子さんでは、

「言うことを聞かない」のではなく,

指示の伝わり方

に原因があることが少なくありませんびっくりマーク

 

何度も同じことを言っていませんか?

 

例えば、

「お片付けしてね。」

と言っても遊び続ける。

 

もう一度、

「お片付けして。」

まだ遊んでいる。

 

さらに、

「早く片付けて!」

やっと片付け始める…。

 

こんなやり取りになっていませんか?

実は、このやり取りが毎日続くと、お子さんは

「最初は動かなくても大丈夫。」

という経験を積み重ねてしまいます。

 

すると、ますます一回目の声かけでは動きにくくなってしまうのです。

「何回も言わないと動かない子」

になってしまうのは、お子さんの性格ではなく、

毎日の積み重ねが影響していることがあります。

 

大切なのは「一度で伝わる指示」を出すこと

 

ABAでは、

できるだけ一度の指示で

動ける経験を増やすこと!!

を大切にしています。

 

もちろん、

最初から一度で動ける子ばかりではありません。

だからこそ、お子さんが成功しやすいように工夫します。

 

例えば、

・子どもが出来ることに指示を出す

・出来ないことは指示を出さず、教える
・目が合ってから伝える
・短くわかりやすい言葉で伝える
・必要であれば指差しや身ぶりを添える

など、お子さんが理解しやすい形で伝えてあげます。

 

そして、動けたらすぐに

「できたね!」
「すぐ動けたね!」

と認めてあげます。

 

「これでいいんだ、あってるんだ」

「指示を聞いたら、いいことがあった」

と子どもに伝わることが大事なんです。

 

この成功体験を積み重ねることで、

「言われたら動く」

という行動が少しずつ身についていきます。

 

「長い説明」は伝わりにくいことも

 

私たちはつい、

「○○くん、ちゃんとお勉強しないと終わらないよ。頑張って最後までやろうね。」

と長く説明してしまいがちです。

 

でも、お子さんによっては最後まで聞き取れず、

「結局、何をすればいいの?」

となってしまうことがあります。

そんなときは、

「座って。」
「鉛筆を持って。」
「書いて。」

このように、

短く具体的な言葉の方が伝わりやすくなります。

お子さんの理解できる言葉に合わせることも、

とても大切なポイントです。

 

実際に関わったお子さんの事例

 

2歳8か月 T君

 

Tくんのママは、こんな悩みを抱えていました。

 

悲しい「耳は聞こえているんですけれどね、私の言うことなんて、まったく聞いてくれないんです」

悲しい「言っていることが伝わらなくて、イライラして怒ってしまうこともあります」

悲しい「何度言っても動いてくれない」

悲しい「どうして伝わらないんだろう?」

毎日の生活の中で、そんなやり取りが続くと、ママも疲れてしまいますよね。

 

そこでTくんとは、

まず指示の出し方を見直すことから始めました。

 

そして、

・お子さんが聞きやすいタイミングで指示を出す
・短く、わかりやすく伝える
・指示が聞けたら、すぐに認めてほめる
・指示が聞けなかったときには、どう対応するかを決めておく

 

こうした関わりを、日常生活やおうちトレーニングの中で繰り返し練習していきました。

すると、4か月後には――

「すわって」

「おいで」

「片付けて」

「お風呂入るよ」

「靴履いて」

など、日常生活でよく使う言葉を聞いて、

その指示に合わせて行動できることが増えていきました。

 

 

そして、ママからこんな嬉しい報告をいただきました。

ニコニコ「指示の出し方に意識が向くようになって、子どもが変わりました」

ニコニコ「指示を聞いてもらえると、生活がスムーズになって、教えることもできるようになったんです」

 

「言うことを聞いてくれない」と悩んでいたTくんのママ。

でも、Tくん自身が「言うことを聞かない子」だったわけではありません。

お子さんが理解しやすいように指示を出し、できた経験を積み重ねる。

その繰り返しが、少しずつ「聞いて動く力」につながっていったのです。

 

 

今回お伝えしたように、

指示は「何回言うか」ではなく、「どう伝えるか」がとても大切です。

お子さんが成功しやすい声かけに変えるだけで、

少しずつ「言われたら動ける」が育っていきます。

次回は、

「止めなさい!」を何度も言わなくて済む関わり方

についてお伝えします。

行動を止めるときにも、実は同じように大切なポイントがあります。

シリーズを通して、お子さんの「学ぶ力」の土台を一緒に育てていきましょう。

 

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