
朝4時に起きて「世界を変えた10冊の本」を手にとり、マルクス「資本論」解説を頷きながら読みました。
資本制生産様式が君臨する社会では、社会の富は「巨大な商品の集合体」の姿をとって現われ、ひとつひとつの商品はその富の要素形態として現れる。したがってわれわれの研究は商品の分析からはじまる(マルクス「資本論」)
商品の分析から資本主義経済の仕組みを知ろう。商品とは「使用価値」と「交換価値」。つまり価値創造が資本主義経済であります。それに加え人間の労働が含まれてこそ価値を持つ「労働価値説」を説いたのがマルクスであります。商品から貨幣が生まれて、貨幣が資本となり、流通の中で剰余価値を付加させていくのが資本家であり、利潤の休みなき運動が資本主義経済であります。企業の利益のためには、心を鬼にして経営に当たらなければなりません。資本家は労働者の労働力も商品として購入するのです。ですから労働者の労働力の価値を高めるのが資本家の使命であります。労働力を安くして商品価格を安くしていくことが労働者を搾取することになり、資本が蓄積され格差社会を生んでいると説きます。最後は、革命による「最後の審判」であります。
「資本制的私的所有の終わりを告げる鐘が鳴る。収穫者たちの私有財産が剥奪される」がしかし社会主義革命後は惨憺たる結末でした。また資本主義経済に逆戻りしてしまいました。2008年9月に発生したリーマンショックから何を学び何をしていかねばならないかはこれからの私たちの役割です。尊敬する松下幸之助翁の言葉を借りるなら、試行錯誤しながら生成発展していくものと思います。
すこしだけ「資本論」が理解できたような気がします。池上彰さんの教え方は因果応報をシンプルに説き、問題提起を投げかけてくれます。教養人ですね。