
全国的にブレイクした弘前藩が製造していた鎮痛・強壮剤があったと初めて知りました。モルヒネは1805年、アヘンから結晶として単離され、眠りの神に仕える夢の神モルフェウスにちなみ、モルヒネと名づけられました。痛みを和らげ眠りを誘うものとして使われてきたが、その陶酔感のための中毒依存耽溺性と禁断症状を伴うため社会問題化しました。わが国へは足利義満の時代に、インドから津軽地方に伝来し、八代将軍吉宗の時代に市場に出回るようになったといいます。津軽藩の家伝秘薬「一粒金丹(いちりゅうきんたん)」にはオットセイの陰茎と一緒にモルヒネが配合され、強壮を兼ねた万能薬として用いられました。アヘンをつくるケシはパパベル・ソムニフェルムという学名で「眠りを誘う化合物を作り出す植物」の意で、その花から花弁が落ちた「ケシ坊主」に切り傷を入れ、にじみ出る乳液を乾燥し、固めたものがアヘンであらます。津軽でアヘン戦争が勃発しなくて良かったです。