
めでたさも
中くらいなり
おらが春
一茶57歳のときに雪深い信濃で綴った正月の句だそうです。51歳で帰郷、長く続いた継母との遺産相続係争にようやく決着をつけ、親子ほど年の差のある若い妻を娶り、ようやく我が世の春を得つつあった一茶だったが、最初の妻との間に生まれた三男一女が次々と夭逝、その妻にも病気で先立たれ、家族にまつわる不幸は人生の最後まで続いきました。彼自身、3歳で生母と死別、一茶の不遇はここから始まります…。
露の世は
露の世ながら
さりながら
娘さんの死のショックは大きく、一茶はあまりの悲しさにただただ呆然としていたようです。この俳句は、無常感にあふれております。
家族の絆がズタズタになっても句を綴りながら心情を吐露した一茶に同情します。