

僕たちの終章はピンボールで始まった。さようなら、3フリッパーのスペースシップ。青春の彷徨は、いま、終わりの時を迎える…。
今、ちまちまと読んでいる文庫本です。ようやく、村上春樹さんのテイストを味わって読めるようになりました。繊細で写実的な表現が好きです。ジャズが流れているBarでクールで、バーボングラスを傾けてながら読むとぴったりという感じです。目の灰皿には吸いかけの煙草が煙がくゆらせてます。
君のこと考えるよ、と僕は言う。そしておそろしく惨めな気持ちになる。
眠れない夜に?
そう、眠れない夜に、と僕は繰り返す。彼女はずっと微笑を絶やさなかった。
寒くない?と彼女が訊ねる。
寒いさ、とても寒い。
あまり長くいない方がいいわ。あなたにはきっと寒すぎる。
多分ね、と僕は答える。そして細かく震える手で煙草をひっぱり出し、火を点けて煙を吸い込む。
今朝は、憧れのピンボールの彼女に再会して、また別れていくシーンを読みました。クールです。