「ロンググッドバイ」少年はくらくらと目まいするのをおぼえる。地ひびきをたてて、馬群が砂塵をまきあげながら、目の前を轟音が一過する。ロンググッドバイ、おまえは一体何者なのだ?おまえは一体どこから来て、どこへ行くのだ?俺をどこへ連れて行こうとするのだ?少年にはもう何も聞こえない。大歓声の中でレースは一瞬の永遠となり、少年はゆっくりとスローモーションで過ぎてゆくサラブレッドの馬群の中から、行方不明になった自分をさがそうとする。ロンググッドバイ、長いお別れ👤