
医療の目的とは「患者さんのQOLの向上」。患者さん一人ひとりの暮らしの質を上げることです。「100歳まで生きたいと思うのは99歳の人だけだ」。これは最近観た映画「運び屋」で、主演のクリント・イーストウッドが言った、とても印象的なセリフです。これは本当にその通り。クリニックで80歳くらいの患者さんに「あなたの腎臓は100歳まで大丈夫ですよ」と言うと、「そんなに生きなくていい!」と言われます。
「QOLの向上」というのは1日でも1年でも長く命を延ばすことではありません。人間は皆死に向かって生きている、生きている時間の質を良くしたい。死ぬということを前提に、その人らしい最期をどういう風に過ごせるか。これは「QOD(Quality of Death(Dying)」という考え方にもつながります。
「QOLの向上」というのは1日でも1年でも長く命を延ばすことではありません。人間は皆死に向かって生きている、生きている時間の質を良くしたい。死ぬということを前提に、その人らしい最期をどういう風に過ごせるか。これは「QOD(Quality of Death(Dying)」という考え方にもつながります。