
遠つ世へゆきたし睡し藤の昼🟪
中村苑子
藤棚の前に立つと、幻惑される時があります。まして暖かい昼間だと、ぼおっとしてきます。おそらくは、煙るような薄紫の花色のせいもあるのでしょう。桐の花にも、同じような眩暈を覚えたことがあります。「遠つ世」とは、あの世のこと。よく冗談に「死にたくなるほど眠い」と言ったりしますが、句の場合はそうではありません。あえて言えば「眠りたくなるほど自然に死に近づいている」気分が述べられています📝
藤棚の前に立つと、幻惑される時があります。まして暖かい昼間だと、ぼおっとしてきます。おそらくは、煙るような薄紫の花色のせいもあるのでしょう。桐の花にも、同じような眩暈を覚えたことがあります。「遠つ世」とは、あの世のこと。よく冗談に「死にたくなるほど眠い」と言ったりしますが、句の場合はそうではありません。あえて言えば「眠りたくなるほど自然に死に近づいている」気分が述べられています📝