
私は学んだ。
勇気とは恐怖心の欠落ではなく、それに打ち勝つところにあるのだと。勇者とは怖れを知らない人間ではなく、怖れを克服する人間のことなのだ👤
新型コロナウイルス(COVID-19)の流行はすでに地球規模の危機といえるほどで、いくつかの国では大きな不安やパニック状態まで起きている。金融市場は混乱し、最悪の死者まで相次いでいる。今のところじっくり省察するゆとりもないまま、今回の危機が私たちに何を告げようとしているのか――私たちの身体に、また社会や政治システムに、さらに国境を超えたインターコネクトネス(相互接続)といったことに関して――ほとんどの人が思考停止状態に陥っている。だが、こうしたことについて語ることはきわめて重要なことだと私は思っている。
今回のウイルス禍の発生よりずっと早くから、世界各地で壁を築いて国境を封鎖する事態が、米国とメキシコ、イスラエルとパレスチナ、ハンガリーとセルビア及びクロアチア、その他の地域で相次いでいた。復活したナショナリズムは、壁で遮断された政治体制の中で「国民の純粋性を守る」という不可能な理想を掲げ、移民の脅威と社会の汚染を叫んで自己増殖している。