
本日東奥日報夕刊に投稿が掲載になりました。「いじめと自殺」のニュースを耳目にして以来チクチクまだ心が痛みます。
「声なきSOS 聴ける社会に」
台風10号が本県を直撃すると警報ニュースが流れる中、小生の気持ちも荒れていた。10代の子供たちをめぐる悲惨な事件があまりにも多くて。昨年7月、本欄に「無念でならない 中2いじめ自殺」という題で、「いじめのない社会を築き上げることを誓いたい。人の痛みの分かる人間に―」と問題提起した言葉がむなしく響いている。
◇昨今、埼玉県東松山市の河川敷集団暴行殺人事件で衝撃を受けている中、2学期の始業前後、青森県東北町の中学生に続いて、青森市の中学校に通う生徒が自ら命を絶ったとみられる事案が起きた。同じ年頃の子供を持つ親として心がまたキリキリと痛んでいる。子供は大人を映す鏡であるならば、この問題は社会のゆがみだと言える。教育関係者だけの責任ではない。子供を取り巻くさまざまな事件・事故は人ごとではなく、自分事であると捉えている。
◇9月10日から「自殺予防週間」が始まる。自殺を考えている人は悩みを抱え込みながらサインを発しているといわれる。マザーテレサの言葉に「愛の反対語は無関心」とある。身近なところで「声なきSOSを聴ける社会環境」をつくり、自ら聴く耳を持ちたいものだ。
◇「お子さんに対する不安の気持ち、まずはご自身の不安な気持ちにむきあって自分を許しなっせ。親子の目的は勉強させることでも、言うことをきかせることでもなか。お互い、愛し合い、尊敬しあうことですべてはいい方向に向かうとよ」(書道家・武田双雲)
(青森市・船橋素幸・NPO法人「いのちの教育ネットワーク」理事)
(東奥日報夕刊平成28年9月2日付)