（東海大学 元村大地）
箱根駅伝への道 第90回箱根駅伝予選会
試練の夏から飛躍の秋へ…当落をかけた最後の勝負
1年前、東海大学はエースの村沢を始め、数名を故障で欠いた状態で予選会に挑んだ…その結果、東海大学は12位、初出場から40年続いた箱根駅伝の歴史が途切れた。
第89回箱根駅伝当日、元村は仲間たちとともに箱根にいた…沿道の安全を守る走路員として…ライバルたちが背中の向こうを駆け抜けて行く…。
東海大学 元村大地（4年）
「東海大学に入学して、まさか箱根駅伝を走れない年が来るとは思いませんでした。悔しいですね…これが無駄ではなかったと思えるようにしたいです。」
10月19日、東京・立川…箱根駅伝への切符をかけ、運命の第90回箱根駅伝予選会が始まる。
箱根駅伝
予選会ルール
（第90回箱根駅伝予選会 スタート）
箱根駅伝は完全実力主義なんです…6大学リーグ、プロ野球のように出場資格が保証されていないんです…どんな名門大学も本戦の大会で10位以内に入らなければ次年の出場資格を失います。
10位以内のシード校以外は、残り9枠を10月に開かれるた予選会で奪い合うのです…しかし、来年は第90回の記念大会、出場枠は23大学に拡大される。
シード校10大学
優勝 日本体育大学
2位 東洋大学
3位 駒澤大学
4位 帝京大学
5位 早稲田大学
6位 順天堂大学
7位 明治大学
8位 青山学院大学
9位 法政大学
10位 中央学院大学
…上記大学は、シード校として箱根駅伝本戦出場確定、残り13大学枠を争うのが予選会です。
今回は、関東の44大学、521人のランナーが出場、各チーム最大12人が出走でき、距離20キロ、その内上位10人の合計タイムで上位13校が本大会への切符を手にする。
予選会の舞台は、東京都立川市、陸上自衛隊立川駐屯地をスタートし、20キロ先の国営昭和記念公園のゴールを目指す…ペース配分が勝負の分かれ目となる
（第90回箱根駅伝予選会 コース）
第90回箱根駅伝への
予選会スタート
レースは序盤から外国人留学生4人と城西大学・村山が飛び出す展開、その後ろには大東大・市田兄弟など各校のエースたち。
予選会の鉄則は、エースが1秒でもタイムを稼ぐ事、チームのために積極的に前を走る各校のエースたち…しかしその集団に東海大学・元村の姿が無い…見つけたのは80m後方、仲間たちと集団を作っていた。
東海大学 元村大地（4年）
「右足を痛めていましたので箱根は僕だけの問題ではないので、チームのためには集団を押し上げる事がベストと考え、チームの集団を引っ張りました」
6位集団から遅れる事30秒、元村が率いる東海大学の集団が10キロを通過、東海大学がいち早く10キロを通過した。
中間地点10キロ
1位 日本大学
2位 東海大学
3位 城西大学
4位 東京農業大学
5位 国学院大学
6位 専修大学
7位 山梨学院大学
8位 拓殖大学
9位 上武大学
10位 神奈川大学
11位 中央大学
12位 大東文化大学
13位 国士舘大学
ーーーーーーーーーーーーー13位以内本大会出場
14位 亜細亜大学
15位 流通経済大学
16位 創価大学
17位 関東学院大学
10キロは、留学生キトニーがタイムを稼ぐ日大がトップ、…良い位置で、元村が集団走を展開する東海大学が2位、29年ぶりの予選会となった中央は11位、13位のボーダーラインを国士舘と亜細亜が争う展開。
中央大学・代田の戦い
もろ刃の剣 ”集団走”
各校のエースたちが1秒を争う一方、後方でもそれぞれの戦いが繰り広げられていった。
伝統校・中央大学の途切れたタスキを胸に山下りを走った代田キャプテンは、中央大学の集団走の中にいた。
中央大学は箱根駅伝本戦出場88回、85回連続出場を続行中の強豪校…
その中央大学が29年ぶり、代田自身は初めての予選会、…予選会特有の集団走もテレビで見たことがあるていどだった。
代田が位置を取ったのが神奈川大学の集団の後ろ、…
中央大学 代田修平（4年）
「神奈川は、予選会の戦い方を熟知している…慣れてる大学だったので神奈川を見つけた時は、このペースならいいんじゃないかと神奈川に付きました」
しかし、10キロを通過するあたりで中央は、神奈川を追い切れず、集団がばらけ始める。
中央大学 代田修平（4年）
「… 思った以上に神奈川大学の後半の伸びが凄くて対応できなかった… ”中央何やってるんだ” というこえもかなり聞こえました…通らなきゃいけないというプレッシャーがすごかった。
箱根駅伝に出るには、こんなにキツイ思いをしなければいけないんだと、本当に身にしみて感じさせられました。…」
箱根駅伝本大会へ
当落をかけた最後の勝負！
（15キロ通過順位）
15キロ通過時点で東海大学はトップ通過で本戦出場ほぼ確定、…中央は13位まで順位を落とし当落線上で、14位亜細亜大学と激しく争う展開に…残り5キロ、各大学のターゲットは中央に定まった。
「中央を抜け…中大、中大」（11位・上武大学・花田監督）
ラスト3キロ、最後の力を振り絞る中央・代田、一人また一人、ライバルたちを抜いていく…そして前を行くエース達もチームの為、自分自身のプライドの為、懸命にゴールを目指す。
1位 山梨学院 エノック・オムワンバ（2年）
2位 日体大 ダニエル・ムイバ・キトニー（2年）
…各校エースが続々とゴールラインを通過する…かつては1秒差で逃したチームもある。
ラストスパート、1秒も無駄には出来ない…続々とゴールラインを切る各校の選手たち…当落線上を争う中央の選手たちも必死でゴールを目指す。
中央・代田は個人、150位でフィニッシュ…そして中央も10人ゴールを通過する…あとは結果を待つだけです。
箱根駅伝予選会
1位 東京農業大学：予選会から箱根駅伝優勝を果たした日体大の昨年の記録を12秒も上回る功記録…7年連続、69回目の出場
2位 山梨学院大学：1人5秒届かず逃したシード権、リベンジを目指す…28年連続28回目の出場
3位 東海大学：まさかの予選落ちから1年、堂々の復活、湘南の暴れん坊、新たな歴史に挑む…2年ぶり41回目
4位 神奈川大学：柏部の2日4日の日誌には、どんな言葉が書き添えられるのか…4年連続45回目
5位 國學院大學：地道な強化が実り、初めての4年連続出場…4年連続8回目
6位 大東文化大学：市田兄弟中心に、目指すは強い大東復活…2年連続45回目
7位 専修大学：箱根路復活、就任2年目、往年の名ランナー、伊藤監督の発采配やいかに…3年ぶり68回目
8位 日本大学：2年連続84回目の出場
9位 拓殖大学：2年ぶりの復活、35回目
10位 城西大学：途中棄権のリベンジを誓う…11回連続11回目
11位 上武大学：花田監督率いる新鋭校…6年連続6回目
12位 中央大学：伝統の襷に今年も魂が宿る…85回連続88回目
13位 国士舘大学：最後の切符は2年ぶり44回目
ーーーーーーーーーーーーー13位以内本大会出場
14位 亜細亜大学
亜細亜大学 河田雅由紀キャプテン（4年）
「親や応援してくれた人にはすごくたくさん迷惑をかけてきたんですが…今日は絶対に予選会を通過して恩返しをしたかったんですが…こういう結果になってしまい、本当に申し訳ありませんでした。」
河田の思いは、必ず後輩たちに引き継がれる…
本当の戦いはこれから
それぞれの思いを胸に
いざ箱根へ…
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