中国、深刻な水不足と水質汚染が最大の環境問題に …日本経済新聞より | 現役大家さん、現役投資家の生の声を聞かせます。

現役大家さん、現役投資家の生の声を聞かせます。

個人投資家向け収益不動産検索サイト e-不動産販売公式アカウントです。
マンション経営、アパート経営でお困りの大家さん、収益不動産購入に伴う銀行融資などの不動産投資相談をお受けします。最新の賃貸経営は日々進化しています。一緒に勉強しましょう。

「不動産投資と旅」現役大家さん、現役投資家の生の声を聞かせます。-幻想的な青い川 中国環境汚染

中国、深刻な水不足と水質汚染が最大の環境問題に

日経新聞 2013/10/25
http://www.nikkei.com/article/DGXNASFK22043_S3A021C1000000/
(2013年10月12日付 英エコノミスト誌)

経済発展に伴い中国では河川の数が激減する一方で、残された水の汚染もすさまじい。北部は水不足も深刻なことから、三峡ダムをも超える巨大な治水計画が動き始めている。だが、その環境面への影響は周辺国にも及ぶだけに今後、政治問題にも発展しかねない。

中国は深刻な環境問題を多く抱えている。息も詰まるほどのスモッグ、開発による大規模な生息地の破壊、重金属による食物汚染…。

だが環境問題の専門家に 「中国で最も深刻な問題はどれか」 と尋ねると、必ず返ってくるのは同じ答えで 「水」 だ。

北京にあるカーネギー清華センターの王濤(ワンタオ)氏も、 「水が最も深刻な問題だ」 と言い、その理由として 「水不足」 と 「水質汚染」 を挙げる。


「不動産投資と旅」現役大家さん、現役投資家の生の声を聞かせます。-中国水不足 水質汚染
甘粛省にある紅崖山ダム。国内で最も乾燥が進む同省では、数百の川が北西部で消失しているという(9月20日)=ロイター


■北京の水不足はサウジ並み

中国社会科学院の潘家華(パンジアファ)氏も「最大の問題は水。人は砂漠で生き残ることはできない」と語る。水質資源管理局の元局長、汪恕誠(ワンシューチェン)氏はかつて 「中国は、『一滴の水のために闘うか、それとも死ぬか』という難問に直面している」 と発言した。

この言葉は決して大げさではない。中国と聞くと 「穏やかな湖に鵜飼い」 という光景が浮かぶが、現実はそうではない。

中国の年間の水使用量は6000億立方メートル。1人当たりの使用量は400立方メートルで、米国人の平均の4分の1だ。国際的に定義される 「水ストレス」 (1人当たり年間使用可能水量が1000立方メートルを下回り、日常生活に不便を感じる状態)のさらに半量を下回る。

だが、この全国平均からは、さらに深刻な地域格差の問題は見えてこない。中国が抱える水資源の5分の4は南部に存在する。

主な水源は長江流域にある。だが、人口の半分と農地の3分の2は北部に位置する(ちなみに黄河は北部に位置する)。

北京の水不足は、1人当たり年間水使用量がわずか100立方メートルというサウジアラビアの状況に似ている。北京の地下水面は1970年代に比べて300メートル低下した。


■河川の数も1950年代から半減

中国は持続不能なペースで水を消費している。水の乱用のために河川は消滅しつつある。大規模な集水域を持つ川の数は50年代には5万を超えていたが、現在は2万3000まで減少した。

そして、これに追い打ちをかけるかのように、中国は残されたわずかの水をも汚染し続けている。

黄河はしばしば中国文明の発祥の地と呼ばれる。2007年に政府機関である黄河水利委員会が黄河流域の1万3000キロメートル(km)に及ぶ範囲と黄河の支流について調べたところ、調査対象となった水の3分の1が農業用水にさえ適さないことが判明した。黄河の両岸には、4000にも上る石油化学製品工場が建てられている。


「不動産投資と旅」現役大家さん、現役投資家の生の声を聞かせます。-中国水不足 水質汚染2
三峡ダムの近くで、長江水面に浮かぶ大量のゴミをすくい集める労働者(雲陽県、9月24日)=ロイター

利用可能な水はこのようにひどい状態にある。中国住建部の都市部水質監視センターで主任エンジニアを務める宋蘭合(ソンランヘ)氏は、都市部の水源のうち飲んでも安全なものは半分しかないと言う。

国土部によると、華北平原の地下水の半分以上は工業用水には使えず、7割は人体への接触にさえ適さないという。つまり、洗濯も入浴もできないということだ。

2012年後半、中国のメディアは黄河流域の蘭州近辺に300の遺体が浮いていたと報じた。遺体はこれまでに合わせて1万体ほど見つかっている。

警察によると大半は自殺者だという。1960年代以降、こうした遺体が黄河下流に流れ着くようになった。


■石炭火力発電所も大量の水使用

世界銀行は2009年、中国の水の問題を巡る総コストが国内総生産(GDP)の2.3%に相当すると見積もり、その大半は健康被害によるものとした。

水不足はエネルギー生産の拡大計画をも危機にさらし、経済成長を脅かしている。中国は米国に倣ってシェールガス革命を起こしたいと考えている。

しかし、1つのシェールガス田を稼働させるには年間1万5000トンもの水が必要になる。

中国は約450基の石炭火力発電所を新たに建設する計画も立てている。これは年間12億トンの石炭を燃やすことを意味する。

発電所には冷却水が必要なうえ、石炭の洗浄もしなければならない。それに要する水の総量は90億トンに上る。中国にそれだけの水はない。

米ワシントンにあるシンクタンク、世界資源研究所によると、新設予定の石炭火力発電所の半分は、水ストレスの程度が 「高い」 あるいは「極めて高い」地域に建つという。

中国にとって最善の解決策は、水の使用効率を改善することだ。中国では工業用水は約4割しか再生利用されていない。これは欧州の半分である。再利用されなかった工業用水は河川や湖に垂れ流しされている。

清華大学の王占生(ワンジャンシェン)氏は、政府は都市部の水インフラ(下水道、水道管、下水処理所)の整備を軽視しており、それがさらなる無駄を招いていると指摘する。

大半の都市では、水道料金が欧州の大都市のわずか10分の1の水準にとどまる。にもかかわらず、政府は国民の反発を恐れて水道料の引き上げに及び腰でいる。

その結果、中国の 「水の生産性」 は低い。水1立方メートルの使用から中国が得ている生産高は8ドル(約780円)相当だ。欧州諸国の平均は58ドル(約5710円)である。もちろん欧州諸国は中国より裕福だが、7倍も裕福というわけではない。


■三峡ダムより大きい計画始まる

水道料金の設定と治水に関して適切で実行可能な改革をするよりも、中国政府は供給量を増やすことを重視している。

ここ数十年間、中国ではエンジニアの肩書を持つ人物が政治を引っ張ってきた。前国家主席の胡錦濤(フーチンタオ)氏を含め、その多くが水力学のエンジニアである。

そうした背景も1つの理由となって、共産党の幹部は度肝を抜くような規模の工学プロジェクトをもって水問題の解決に当たってきた。

「不動産投資と旅」現役大家さん、現役投資家の生の声を聞かせます。-南水北調 中国水不足

最も有名なのが、長江に作られた三峡ダムだ。だが、今年はさらに大規模な計画が開始する。「南水北調」 と呼ばれるもので、長江と黄河をつなぎ、水の豊富な南部から水不足の北部へと水を運ぶ計画だ。

このプロジェクトが完成すれば、総計3000kmに及ぶ複数のトンネルや運河が山々を貫通し、平原を横切り、河川の下を通ることになる。その水理学上及び環境面に与える影響は極めて有害なものとなる可能性がある。

このプロジェクトでは、長江と黄河という中国の2大河川を3つの新たな経路でつなぐ。下流域の 「東線」 はこの年末に開通する予定だ(地図参照)。

年間148億立方メートルの水をポンプでくみ上げ、長さ1160kmの運河で送る。1500年前に作られた水路「京杭大運河」も一部、利用する。

これまでにくみ出された水はあまりに汚染がひどいため、経費の3分の1が水質処理に消えてきた。1300kmの新たな運河が使用される 「中央線」 は、2014年10月に開通する予定だ。

同じ時期に、最も大胆でかつ議論を呼んでいる上流域の 「西線」 も着工される。環境破壊に弱いヒマラヤ高原を渡るルートだ。

最終的にこの南水北調プロジェクトでは、年間450億立方メートルの水を運ぶことになり、その総工費は4860億元(約7兆8500億円)に達する見通しだ。同量の海水を淡水化する方がコストは低い。

環境には甚大な被害が及ぶ可能性がある。長江の汚染は既に深刻だ。中国工程院の陳吉余(チェンジユ)氏は2012年に雑誌 「サウスウィークリー」 に対して、このプロジェクトでは既に長江のプランクトンの数が3分の2以上減り、川底に住む生物が半減したと語った。これは、開通する前の話だ。


■インド、ベトナムなどへの影響大

中国で最も著名な環境保護活動家の馬軍(マジュン)氏は、中国政府の施策が巨大な工学プロジェクトに偏っていることが状況を悪化させており、「そのために我々は水資源の限界を突きつけられている」と話す。

だが、最大の損失を被るのは政治かもしれない。ブラマプトラ川やメコン川などの上流に計画されている複数のダムは、インド、バングラデシュ、ベトナムなど下流に位置する国々に影響を及ぼすからだ。

中国側は広大なブラマプトラ川から流れる水のわずか1%を利用するだけだという。だが、西線に関わるプロジェクトの1つ、2つを見るだけでも難題は山積しており、中国人でさえ尻込みしているのが現状だ。

この計画が実現すれば、10億人もの人にとって水源となる河川の流れが影響を受けることになる。そのため、このままではこの地域一帯の安定が危ぶまれるとの見方もある。

しかも、これだけのことをしても中国の水供給量は7%しか増えない。水問題は中国を決死の、だが結局は無益の対策に走らせている。

英エコノミスト誌の記事は、日本経済新聞がライセンス契約に基づき掲載したものです。(翻訳協力 日経ビジネス)



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
海外展開に伴い協力会社を募集します。語学力があれば起業を考えている方でも大歓迎!…お勤めしながらの週末起業でも十分可能かと……気軽にお問合せ下さい。…詳しくは⇒http://ameblo.jp/e-fh/entry-10863926030.html

当社は、一棟マンション、一棟アパートを専門に取り扱う不動産会社です。
[twittre http://twitter.com/e_fh ]
[facebookフアンページ http://www.facebook.com/efh.toushi ]
[e-不動産販売 検索サイト http://www.e-fudousanhanbai.com ]
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー